日清オイリオグループ プラ問題解決へ取組強化 1000g容器で環境対応素材導入

日清オイリオグループは、プラスチック問題の解決に向けた取り組みを強化する。今秋から、家庭用食用油の主力容器1000gポリボトルで環境対応素材を導入するほか、食用油プラスチック容器のリサイクル促進に向けて、川崎市と協働で食用油・調味料の使用済プラスチック容器回収実証実験を開始する。

同社は「日清オイリオグループビジョン2030」でCSV目標として、プラスチック容器・包装の削減と資源循環の推進を掲げ、

①プラスチック使用量の削減
②リサイクル材・植物由来素材の利用推進
③リサイクルの仕組みの整備

――を柱に取り組みを進めている。 

環境に配慮した商品・サービスの開発では、プラスチックボトルの軽量化や分別しやすいラベル・キャップシールの導入、21年度には600g・400gペットボトル容器で再生ペット樹脂を採用した環境対応素材の導入に取り組んできた。今年11月からは家庭用製品の主力製品(1000gポリボトル)に範囲を広げ、環境対応素材である「バイオポリエチレン」(以下、バイオポリ)を導入する。

バイオポリは、植物などの再生可能な有機資源(バイオマス)を原料とするプラスチック素材(バイオマスプラスチック)の一つであり、食品用容器・包装などの原材料として活用されている。バイオマスプラスチックは、原料となる植物が成長する際に二酸化炭素を吸収して育つため、カーボンニュートラルの考え方から、CO2の排出抑制に貢献することができると期待されている。

食用油・調味料の使用済プラ容器 川崎市と協働で回収実証実験

また、食用油・調味料の使用済プラスチック容器のリサイクル構築に向けて、10月から神奈川県川崎市と協働で実証実験を開始。川崎市内4か所に回収ボックスを設置し、家庭から排出される食用油・調味料の使用済プラスチック容器を回収。排出量や性状などの実態把握や、再資源化の適否などを含め検討を進める。

現状、食用油・調味料の使用済プラスチック容器の多くは、サーマルリサイクルや焼却処分されている。同社では近年のリサイクル技術の発展を受け、食用油・調味料の使用済プラスチック容器の回収方法やリサイクル技術をあらためて検証することで、プラスチック資源循環社会の構築に貢献できる可能性があると考え、今回の実証実験を開始。「行政や他社との産官連携により、お客様にとって身近な社会課題解決に取り組み、SDGsの達成にも貢献していく」とした。

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