猛暑で食欲が落ちやすい時期にも伸びる缶スープ 「罪悪感なく小腹が満たせる」「手軽に野菜補給できる」と支持拡大 ポッカサッポロフード&ビバレッジ

 ポッカサッポロフード&ビバレッジでは、猛暑で食欲が落ちやすい時期にも「罪悪感なく小腹が満たせる」「手軽に野菜補給できる」と支持を集めている缶スープをラインアップしている。

 その商品は「じっくりコトコト冷製缶」シリーズとして展開していたもので、10年目の展開となる今年、消費者の声により耳を傾けて勢いを加速させるべくリニューアルを行い、シリーズ名も「やさいのじっくりコトコト」へと改めた。

 野菜補給のコンセプトを強めるとともに、飲用・喫食シーンを冷製に限定せず拡大して提案していくのがリニューアルの狙い。

ポッカサッポロフード&ビバレッジ食品飲料事業本部加工食品事業部の川瀬翔平氏 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
ポッカサッポロフード&ビバレッジ食品飲料事業本部加工食品事業部の川瀬翔平氏

 取材に応じた食品飲料事業本部加工食品事業部の川瀬翔平氏は「お客様の声を集めていくと、野菜ジュースとは異なり缶スープは食事替わりにもなって野菜補給もできるという点が支持されていることが分かった」と語る。

 この考えのもと、全4品のうち「じゃがいものスープ」と「栗かぼちゃのポタージュ」は野菜の種類を増やして刷新した。

 「野菜の種類は、『じゃがいものスープ』が2種類から7種類、『栗かぼちゃのポタージュ』は9種類から12種類へと増やし、2品ともスープとしての満足感・食事感を高めるために、とろみを上げた」と説明する。

 全4品での通年販売化を目指しパッケージも様変わりさせた。

 「飲用シーンをこちらから“冷製”と夏場だけに限定してしまうのではなく、冷製を象徴していた青色のパッケージから、全体でそれぞれの野菜の個性が引き立つようにした。店頭に4品並べられたときに野菜の彩りを感じてもらえるようにした」という。

 昨年から通年販売していた「コーンポタージュ」「トマトとたまねぎのスープ」も野菜感を高めたパッケージへと改めて全4品を2月21日にリニューアル発売したところ、配荷が拡大し販売も好調に推移している。

 シリーズでの採用も多く、スーパーでの3-6月推定販売店率は前年同時期と比較して、115%強(※出典:インテージSRI+ 2022年3月~22年6月 全国 業態:SM 推計販売販売店率)。

 昨年、「コーンポタージュ」「トマトとたまねぎのスープ」の2品を販売したコンビニでは、夏場の売れ行きが突出してよかったこともあり、今年は夏場に照準に合わせて導入時期を7月からとしている。

 パッケージが様変わりしたものの既存ユーザーの離反を起こすことなく1-6月の累計販売実績(金額)は前年同期比12%増となり連続成長を遂げている。

 冷製缶スープ市場は2016年からの5年で6倍に急拡大。
 同社の販売実績も、特にコロナ禍になった20年は、食欲が無い時の栄養・野菜補給や小腹満たしニーズ、ストック需要などに対応して19年比で1.4倍に伸長。21年も20年比で1.3倍と伸長した。

 需要の山は毎年、夏場で「5月のゴールデンウィークから徐々に伸びて8月にピークを迎える」。

 今夏は6月27日に気象庁が「関東甲信地方、東海地方、九州南部が梅雨明けしたとみられる」と発表するなど全国的に異例の暑さとなり、これに伴い「やさいのじっくりコトコト」の引き合いも強まっているとみる。

 直近の販売実績は、7月4日から18日まででは前年同期間と比べ1.4倍を記録。

 「猛暑が続いて体力が低下し食欲も落ちやすくなるときに『やさいのじっくりコトコト』はまさにオススメ。甘味や塩味、酸味の感じ方も考慮し、手間をかけることなく、冷たくても常温でもおいしいスープが味わえる」と胸を張る。

再栓可能なリキャップ缶によるモバイル性とストック性も特徴 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
再栓可能なリキャップ缶によるモバイル性とストック性も特徴

 再栓可能なリキャップ缶によるモバイル性とストック性も特徴。

 モバイル性ではお弁当などとともにピクニックや外出先への持参ができ、ストック性では賞味期間13ヵ月のためコロナ禍による家庭内需要や防災ニーズに対応する。

 「ストックニーズを示すものとしてECでの定期購入者が増えている。コロナは収束せず自然災害も増えていることを考えて、秋冬は野菜補給と小腹満たしの2つの訴求をベースに店頭でストックニーズも掘り起こしていく」。

 コミュニケーションは現在、公式サイトで“一緒に食べるとおいしい!”として以下の組み合わせも提案している。

 ――サンドイッチと「コーンポタージュ」
 ――おにぎりと「トマトとたまねぎのスープ」
 ――フライドチキンと「じゃがいものスープ」
 ――パスタと「栗かぼちゃのポタージュ」

 店頭POPも用意して組み合わせを提案強化したところ、スーパー・量販店の中では定番の売場に加えて多箇所での展開が加速している。

 「“食事の1品になる”“罪悪感なく小腹が満たせる”“手軽に野菜補給できる”点をご評価いただき、冷製スープコーナーやサンドイッチ、パン、惣菜など冷凍・常温問わず様々な売場で展開している」。

 自販機でも展開し「導入率・コラム増と販売好調に伸びている」と述べる。

 今期(12月期)販売金額の目標は前年比1.5倍を目指す。

 「4品を通年販売する初めての年となるため、まずは年間で安定してお届けし、常温と冷蔵で小腹満たしできることをお伝えしつつ。スープでおいしく野菜補給できる点を伝えていく」と意欲をのぞかせる。