ボトルコーヒーよりも100円ほど高価格な紙容器アイスコーヒーが拡大 その背景は?

 大容量ペットボトルのボトルコーヒーよりも100円ほど高価格な紙容器入りアイスコーヒー(リキッドコーヒー)が拡大している。

 代表商品としては「京都 小川珈琲 炭焼珈琲」(小川珈琲)や「リキッドコーヒー テトラプリズマ」(キーコーヒー)などが挙げられ、昨年、この市場に「タリーズコーヒー」(伊藤園)が参入するなど商品数は増加傾向にある。

 増加の背景に、コロナ禍の巣ごもりで高品質なレギュラーコーヒーの飲用機会が拡大し、生活者のコーヒーの味覚水準が全般的に向上しているとの見立てがある。

 家庭内の飲用機会拡大に伴い消費の二極化も進行。

 日常の止渇ニーズや値ごろ感にはボトルコーヒー、ご褒美・贅沢ニーズには紙容器コーヒーがそれぞれ対応し、“1日数杯飲むうちの1杯は紙容器コーヒー”といった具合で使い分けも行われている模様。

売場に並ぶ「京都 小川珈琲 炭焼珈琲」
売場に並ぶ「京都 小川珈琲 炭焼珈琲」

 「京都 小川珈琲 炭焼珈琲」は、前期(8月期)は2ケタで伸長。店頭での販売に加えてECでの伸びが大きく貢献。360日の賞味期限と常温保存できる特性からECのまとめ買い需要を取り込んでいる。

 原材料高騰などでコーヒーの価格が全般的に上昇する中、小川珈琲では“せっかく買うのであれば品質がよいもの”のニーズに商機を見出している。

 キーコーヒーは、アイスコーヒー市場で同社商品を含めて単価150円以上の中高価格帯が拡大していること受けてチルド・ドライそれぞれの領域で中高価格帯商品を拡充。

売場に並ぶ「京都イノダコーヒ リキッドコーヒー」
売場に並ぶ「京都イノダコーヒ リキッドコーヒー」

 中高価格帯が伸びている背景について、田中正登志R&Dグループグループリーダーは「巣ごもり需要の高まりによってご自宅でコーヒーを飲む機会が増えている。その中でせっかくコーヒーを飲用するのであれば、おいしいものや品質のよいものを飲みたいニーズが非常に高まってきているのだと思っている」と述べる。

 この見方はチルド・ドライの両方に当てはまるとし、チルドでは3月1日に「京都イノダコーヒ リキッドコーヒー 無糖」(1L)「同 微糖」(同)を新発売し「まろやか仕立て 贅香」をリニューアル発売した。

 この中で、「京都イノダコーヒ リキッドコーヒー」2品は、“自宅で喫茶店・カフェのコーヒーが楽しみたい”という喫茶カフェブランドのニーズに着目し、中高価格帯の中でも同社が課題とする350円以上の高価格帯のシェア強化を目的としている。

売場に並ぶ「タリーズコーヒー」で大容量シリーズ「MYHOME BLACKCOFFEE」
売場に並ぶ「タリーズコーヒー」で大容量シリーズ「MYHOME BLACKCOFFEE」

 カフェブランドの力を発揮しているのは昨年参入した伊藤園。

 「タリーズコーヒー」で大容量シリーズ「MYHOME BLACKCOFFEE」「MYHOME微糖COFFEE」を展開し、このうち「BLACKCOFFEE」が家庭内需要を獲得し好調に推移している。

 この好調要因について「家族で飲まれることを想定したクセのないバランスのよい味わいが奏功したと考えている。1Lのホームユース市場の中では高価格だが、ショップブランドということで、おいしいコーヒーを求める層にトライアルしていただきリピートにつながっている」と伊藤園の井上信一マーケティング本部新ブランド育成コーヒーブランドグループチーフ分析する。

AGF「ちょっと贅沢な珈琲店」 ゲーブルコーヒーギフト
AGF「ちょっと贅沢な珈琲店」 ゲーブルコーヒーギフト

 味の素AGF社は今年、プレミアムとエコの観点から中元ギフト向けの新商品として紙容器のアイスコーヒーをラインアップ。

 AGFの瀧川直美リテールビジネス部マーケティング第3グループ長は紙容器のアイスコーヒーギフトについて「ギフトでもよりSDGsへの関心が高まり、流通さまのカタログでもエコ商品の特集ページを組まれる傾向が非常に強まっている。プレミアムとエコといった価値が届けられるような製品として今回導入した」と説明する。