スイスのコーヒーマシン「ユーラ」に幅広い人気 5L給水タンクの業務用小型機に強い引き合い 家庭用は好調維持

 スイスのプレミアムコーヒーマシン「JURA(ユーラ)」が業務用・家庭用ともに幅広い人気を集めている。

 厳しい状況が続く外食業界だが、ニューノーマル時代におけるコンパクト化など多様化するニーズに応える性能と優れたデザインが評価されているという。

 特に代表的な機種となる「X8」と「E6」が好調。

 「X8」は、約5Lという大容量の給水タンクを備えつつも100V電源に対応したコンパクトサイズが好評で、コーヒーカス箱が抽出杯数約40杯まで対応するといった特長も受け入れられ、ホテル・レストラン・カフェから引き合いが強まっている。
 
 この好調ぶりについて、「ユーラ」など世界各国のコーヒーマシンブランドやコーヒー周辺商材を輸入販売するブルーマチックジャパンの河口雅明社長は「『ユーラ』のマシンは水道直結ではなくタンク式。その中で『X8』は大容量の給水タンクを備えながら、コンパクトで本格的なおいしいコーヒーが提供できるため、ニューノーマルの時代の多様な出店戦略のニーズに対応できる点にご支持をいただいている」と説明する。

「カリマリ」(イタリア)のコーヒーマシンと取材に応じたブルーマチックジャパンの河口雅明社長
「カリマリ」(イタリア)のコーヒーマシンと取材に応じたブルーマチックジャパンの河口雅明社長
 一方、「E6」は、デザイン性や人間工学を取り入れたシンプルな操作性と高いクオリティの抽出機能が、空間快適性を大切にするスモールオフィスを中心に広がりをみせている。

 家庭用については「自宅でハイクラス感のあるコーヒーライフを楽しむ層」などの広がりを背景に、20年9月に発売したコンパクトマシン「ENA8」がスタイリッシュで独自性の高いデザインが評価され好調を維持している。

 その「ENA8」を上回って勢いづいているのが「E8」。

 河口社長によると、「ワンタッチでカプチーノなどのミルクメニューができコーヒーのクオリティが高いことに加えて、グラインダーの音が静かで日本語表示対応の2.8インチディスプレイの評価も高く、日本の住環境にも適応しているところが受け入れられているのではないか」と述べる。

 家庭用へ領域を広げている点でいえば、「ユーラ」以外のブランドだが、スペシャルティコーヒー用のグラインダーとして支持を集める「バラッツア」(アメリカ)でハイレベルユーザーの家庭用ニーズが高まっているのも現状のマーケットの状況を象徴しているといえるかもしれない。

 ブルーマチックジャパンの今期(7月期)業績は「コロナ前には戻らないが、お客様とともに底からは脱出しつつある。業務用は回復傾向にあり、家庭用は好調を維持している」状況だが、今後の戦略については、コーヒー業界全体の活性化をパーパスとするブルーマチックの基本的な考えがある。

 「私たちは‘お客様のコービービジネスの成功づくり’を大方針として、コーヒー業界やエンドユーザー、コーヒーを楽しむすべての人が幸せになることを目指している。その実現のため、新規チャネル・外食・オフィス・家庭用――の主に4つの市場でそれぞれ潜在ニーズを探索し、新たな可能性を探る取り組みをスタートさせ、成果も出始めている。」

 この大方針の実現にむけて、今後ブルーマチック社の向かう方向性は独特のブランド戦略によって示されている。

 社名である「ブルーマチックジャパン」をマスターブランドとし、その傘下にサブブランドが並び、さらにその下にプロダクトブランドを位置づけているが、それぞれの個性を多様なマーケットニーズにアジャストさせることでコーヒー業界全体に貢献する役割を果たしてきた。今後は、独自商品の開発を含めさらに上のステージを目指していくことになる。

 サブブランドとしての「ブルーマチック」は、同社設計の新マシンを開発している。委託工場での製造により今年9月には2機種の新機種の発売を予定。「さらに先進性のあるマシンを製造、展開していきたい」と意欲をのぞかせる。

 サブブランドで「ブルーマチック」と同様のカテゴリとなる「カーチス」(アメリカ)は、SEBグループに加わることで、ブランドマーケティングをリフレッシュ。ヤング、カリフォルニアのイメージに一新した。
 「大容量でクイックサーブを強みとする『カーチス』はコロナが収束してバッチブリューのニーズが戻ってくる日本のマーケットでさらに存在感を増していくだろう」と期待を寄せる。

 エスプレッソ、イタリア系のラインナップとしては、基幹ブランドのひとつ「カリマリ」(イタリア)は多様化、複雑化するニーズに対応し、世界的に広がるコンパクト化の要請に応えた新型マシンや顧客ニーズを先取りしたマシンを展開していく。

 新たに「カリマリ」のグループに入った「エレクトラ」(イタリア)からも100Vエスプレッソマシン「VERVE」を提案。
 「100Vながらスチームの圧力はプロフェッショナルのお客様からお墨付きを得ている。スマホで簡単に設定できるのも特徴」だという。

 ハイエンドモデルの「サンレモ」は、ミドルローの位置づけの「ZOE」が好調。今後は「ミドルハイのお客様を獲得すべくランクを上げて提案していく」考えだ。

 ブルーマチック社の「お客様のコーヒービジネスの成功と、家庭でコーヒーを楽しむ人たちの満足を満たすことで、ビジネスをさらに成長させていく」アプローチはコーヒー業界に新しいステージを拓こうとしている。