乾物・乾麺市場発展へ各メーカーの事例共有 日本アクセス「AK研」が総会

取組み加速へ組織改編も

アクセス乾物乾麺市場開発研究会(AK研)の第3回総会が10日に開催された。「日本伝統の美味しさを、まもる、つなぐ、つくる」を理念に掲げ、日本アクセスが19年に設立した同会。同社の卸機能と全国のメーカーや生産者とのつながりを生かし、乾物乾麺市場の発展を目指している。当日は会員企業から82人が会場に詰めかけたほか、オンラインでも61人が参加した。

日本アクセスの佐々木淳一社長は「コロナ特需の裏年となった昨年は、当社がここ数年強化しているNBメーカーとのタイアップによる販促提案の採用が進み、乾物を起点としたさまざまな派生メニューが広がった。また重要課題である国内生産の先細りに対応し、生産振興にもさらに力を入れている。乾物乾麺の市場規模は減少傾向にあるが、活性化へ業界全体のプラットフォームとなるべく拡大していきたい」とあいさつした。

AK研の副会長を務める兵庫県手延素麵協同組合の井上猛理事長は「巣ごもり需要があった20年、21年は乾物乾麺のおいしさ、保存性のよさが見直され新規ユーザーが増加した。今年は乾物乾麺の持ち味をいかに発揮できるかが問われる一年。消費者が外で行動し始めるとともに、食も内から外へと動き、内食市場が縮小すると考えられる」として、新たな価値をアピールする必要性を訴えた。

活動報告を行った日本アクセス乾物乾麺MD部長の笠松裕也氏によれば、会員155社を合わせたAK研の21年度実績は前年比104.8%(386億円)。このうち乾物は105.4%、乾麺は102.5%といずれも好調な着地をみせた。昨年はデリカ・外食流通研究会と次世代ビジネス研究会を立ち上げるとともに、社内組織と合わせることで営業現場への落とし込みを一層強化した。

キッコーマン食品からは、首都圏支社の岩峯崇氏が取組事例を報告。同社のメニュー専用調味料「うちのごはん」と乾物のクロスMDにより、水戻し不要、炒めるだけで簡単に作れる栄養満点の時短レシピを提案した。両者とも単体での販売に比べて売上が倍増したことから、成功事例を他チェーンの売場にも横展開する計画だ。

對馬原木しいたけの木村一彦社長は、山林が9割を占める対馬(長崎県)で数少ない産業として営む原木椎茸生産の現状を紹介。この10年ほどは生産者の減少から、かつて年間600tあった生産量は30tにまで激減したという。苦境のなかでも、徐々に機械化を図りながら椎茸づくりに奮闘。使用済みの原木は肥料として再生するなど、完全循環型の生産に取り組む。今春には日本アクセスの留め型商品も発売した。

はくばくの長澤重俊社長は、同社が今年のテーマに掲げる「もち麦市場活性化のための生活者ファースト活動」をアピール。もち麦ブームが一段落した今、新たな成長に向け生活者視点でのMDを強化する。ラインミニアプリを活用し、「もち麦ともち米はどう違う?」「もち麦を続けて間食の量が減った」など興味を惹くコンテンツを配信。日本アクセスの協力による見つけやすい店内演出や、購入を後押しする特典も合わせ、需要再活性化に向けた取り組みを展開中だという。

締めくくりに、会長を務める日本アクセスの西村武理事があいさつ。「昨年のトータル実績は104%だが、反省点もある。数字が前年より落ちているメーカーに対して何ができるかを考えねば、会員であるメリットがなくなる。各メーカーとも本当に数字が上がるような会にするため、ぜひ皆さんとともに頑張っていきたい」と呼びかけた。