ゲーミングとの親和性の高いエナジードリンク市場に再活性化の兆しが見られる。
ゲーミングで今年注目を集めているのが、9月に中国・杭州で開催される第19回アジア競技大会。ここでeスポーツが初めて正式種目として実施される。
この話題化に伴い、集中力や持続力を要するゲーミングのお供に選ばれやすいエナジードリンクのマーケティングが活発化する可能性がある。
レッドブル・ジャパンは“日本のゲーミング界に翼をさずける”を目的に5ジャンル5ゲームで競う東西対抗戦の「Red Bull 5G」を昨年5年ぶりに開催し今年も予定している。
「5タイトルの発表や予選決勝の日程、決勝の場所などの大会詳細は3月末か4月に発表予定」(レッドブル・ジャパン)という。
そのほか、レッドブルが手がけるアジアで最初のゲーミングスペース「Red Bull Gaming Sphere Tokyo」を運営し、けんつめし(太田研人氏)・ウメハラ(梅原大吾氏)・aMSa(近本昌也氏)・ガチくん(金森識裕氏)・ボンちゃん(高橋正人氏)の5人のスポーツアスリートのサポートをしている。
商品面では2月に「レッドブル・エナジードリンク」の新フレーバーとして「レッドブル・エナジードリンク オレンジエディション」を数量限定販売してブランドと消費者との接点を強化している。
これに対して「モンスターエナジー」はホテル客室のアメニティに採用されている。
野村不動産ホテルズが運営するノーガホテル秋葉原は、eスポーツ店舗が集積する秋葉原でeスポーツを体験できるゲーミングルームを新たに販売。
ゲーミングルームには日本を代表するゲーミングパソコンをはじめゲーミング周辺機器やゲーミングチェアを導入したほか、長時間プレイのエナジーチャージとして客室の冷蔵庫に「モンスターエナジー」2種類を2本ずつ用意している。
「モンスターエナジー」は昨年開催された「東京ゲームショウ2021 オンライン」にオフィシャルドリンクスポンサーとしてサポート。今年も同様の動きが予想される。
eスポーツとは趣を異にするが、Cygamesの人気ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」とコラボするのは「ZONe(ゾーン)」。
同ブランドは、デジタル新世代のエナジードリンクをコンセプトに掲げて20年に立ち上げられたブランドでECチャネルに加えて店頭で少しずつ勢力を拡大している。
今年新たな動きとして、ブランド初となるコラボレーションによる新フレーバー「ZONe TOUGHNESS(ゾーン タフネス)」のデザイン缶第1弾が2月15日からコンビニで発売され、3月15日から第2弾が投入される。
インテージによると、医薬部外品を含めた栄養ドリンク市場は2019年をピークとして減少傾向にあり21年には前年比2.6%減の2783億円となった。
この中で、好調が続いていた医薬部外品以外の滋養強壮系も0.9%減とわずかに減少に転じた。容器別にみると、エナジードリンク市場とされる缶がほぼ前年並みとなった。
これについて、インテージ市場アナリスト木地利光氏は「20年にかけて市場を牽引していた缶において、価格競争が激化し21年に主要ブランドで値下げが実施されたことが市場の伸びを鈍化させる要因となった」とみている。