花王は5月14日、丁寧に洗濯しても残るニオイや黒ずみの“諸悪の根源”とされるバイオフィルムを除去する衣料用濃縮液体洗剤「アタック ZERO(ゼロ)」を発売する。
同社は、これまで浴室や排水溝、口腔などに存在するバイオフィルムを解析し対処技術を研究。今回、繊維の中にもバイオフィルムが存在することを突き止めた。
このバイオフィルムについて、4月21日発表した原岡理映ファブリックケア事業部ブランドマネジャーは「“菌の隠れ家”と呼んでおり、身の回りで困った現象を引き起こしていた原因。たとえば、浴室のピンクのヌメリやキッチンの水回りのヌメリ、まな板の表現の黒ずみなどで、ニオイや汚れの発生源」と説明する。
花王ハウスホールド研究所の田和弘輔氏によると、バイオフィルムは、菌が単独ではなく複数が寄り集まった集合体となっており、この集合体が菌を覆いバリア機能を発揮。これにより「これまでの当社除菌洗剤や当社漂白剤などの剤が届きにくい状態になる」と述べる。
このバリア機能に加えて「バイオフィルムには粘着性があるため、汚れやニオイの原因菌を吸着してしまい、バイオフィルムが存在すると急激に吸着しやすくなることが分かった」という。
新「アタック ゼロ」は、バイオフィルムに効果を発揮する成分を新たに配合。
「アタック ゼロ」を直接塗布して洗うことでバイオフィルムの表面を徐々に分解し洗濯液中に分散させやすくして除去するほか、普段の洗濯でバイオフィルムの形成を抑制する。
後者の形成抑制については「バイオフィルムは時間をかけて形成されるため、日々の洗濯で形成させないことが重要。形成抑制技術の開発に取り組み、衣類上のバイオフィルムを形成する菌体を制御することでバイオフィルムの形成を促すシグナルを阻害し形成抑制に成功した」と語る。
内容量は、昨今の原材料高騰の影響を受けて従来の400gから380gへ約5%減量し価格を据え置く。380 g の想定価格は従来通り550円前後を見込む。
実質値上げだが、価格以上に価値を高めるべく企業努力がにじみ出る改良新発売となる。