砂糖 需要回復にブレーキ 2~3月出荷量、前年下回る 家庭用、値上げで買い控え

2021年4月~2022年3月の精糖出荷量の推移

精糖工業会加盟社合計の3月の精糖出荷量は、全体で前年同月比94.54%と2か月連続のマイナスとなった。出荷量が2か月連続でマイナスとなるのは、昨年10月以来5か月ぶり。年初からのオミクロン株感染拡大の影響もあり回復傾向にブレーキがかかった模様だ。家庭用では、昨年来から続いた値上げの影響で買い控えも見られた。食品全般の値上げが続く中で消費マインドは悪化しており、精製糖メーカーには今後、慎重な価格政策が求められそうだ。

小袋(家庭用)の出荷量は、2月84.07%、3月90.23%と特に落ち込みが大きい。巣ごもり需要の反動に加えて、相次ぐ値上げでスーパーなど量販店での特売が減少し、消費者の買い控えにつながった。大袋(業務用)は、3月95.47%と2か月連続のマイナスとなった。小袋ほどの落ち込みはないが、前年同月の精糖市況上昇を見越した仮需(106.55%)の反動のほか、オミクロン株感染拡大で出張・旅行が制限される中で、お土産菓子向けなど業務用需要への影響が大きかった。

昨年は、一昨年の砂糖消費急減からの反動や、ワクチン接種の進展に伴う経済活動の回復もあり、精糖出荷量は年間を通じておおむね回復傾向を示していた。3月にすべての地域でまん延防止等重点措置が解除され、今後ふたたび回復傾向に戻ることも期待される。しかし、業務用が約9割を占める砂糖需要は、海外からのインバウンド需要が回復しない限り本格的な回復は期待できない。「コロナ以前の状態へ戻ることは困難」とする精製糖メーカートップは多い。

一方、砂糖価格をめぐる環境は依然として厳しい。業界では昨年、原料コストの上昇を受け3度にわたり計17円/㎏の値上げを実施した。ただ、海外粗糖相場は現在も高値止まりし、加えて原油高により資材・包材など生産関連コスト、国内輸送コストは一段高となっている。さらなる値上げに対するユーザー・消費者の反応は厳しく、精製糖メーカー各社には価格と消費両にらみのかじ取りが求められる。