物流の2024年問題

物流の「2024年問題」が懸念されている。24年4月にトラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用され、年間960時間、月間80時間となる。長時間労働是正のためすでに多くの業種では年720時間の時間外労働の罰則付き上限規制が適用されているが、トラックドライバーを含む自動車運転業務は5年間の猶予期間が設けられ、24年から上限規制が適用、将来的には他業種同様の年720時間となる見通しだ。

▼ドライバーの時間外労働上限が導入されると何が起きるか。メーカー・卸の試算では24年以降、年960時間の上限をクリアするには1日の拘束時間は11時間半、納品先までの距離は150㎞を超えない範囲になるという。物流コストの上昇にとどまらず、従前の運用ではモノが運べなくなるのではという危機感も根強い。

▼夜間作業や短いリードタイム、多頻度検品などの附帯作業が求められる加工食品物流は、物流事業者に嫌われる要素が多い。手積み・手降ろしの非効率な作業は、ドライバーの長時間待機が発生する要因にもなっており、業界全体で早期の改善が求められている。

▼物流問題の解決には個別企業の取り組みにとどまらず、製配販3層と物流事業者の連携が不可欠。来週からは大型連休がスタートする。繁忙期の物流現場で何が起きているか、再点検が必要だ。