つゆ 春夏商戦スタート 麺用パウチ、白だし拡大へ

2022年春夏期のつゆ商戦がスタートした。主軸となる麺需要は、夏場を中心とした気温の動向に左右されるものの、昼食を中心とした麺メニュー人気を背景に今期も堅調に推移する公算が大きい。家庭用つゆ市場も麺専用つゆ、特に個食対応のパウチタイプを中心に引き続き堅調に推移する可能性が高い。

つゆは濃縮つゆ、白だしと麺専用つゆを中心としたカテゴリーになる。21年春夏期の市場は、二ケタ成長となった20年の裏年で苦戦を強いられたが、19年を上回る水準で推移。小売ベースで400億円弱の規模を保持したとみられる。

コロナ禍の2年を振り返ると、濃縮つゆがやや軟調だが、麺専用つゆ、その中でもパウチタイプと白だしが成長基調を維持。濃縮つゆの重要性は変わらない半面、両サブカテゴリーへの期待が高まっている。

パウチタイプの麺専用つゆは、昼食を中心とした麺メニュー、特にうどんメニューの人気を背景に需要が拡大。その中でもエバラ食品工業「プチッとうどん」が20年度、21年度と大きく成長した。

エバラ食品「プチッとうどん」、ミツカン「まぜつゆ」、キッコーマン食品「具麺」、丸美屋食品工業「かけうま麺用ソース」、ヤマサ醤油の新ブランド「饂飩気分」をはじめ、上位メーカーは今期もパウチつゆの提案を強化している。

エバラ食品は「プチッとうどん」の新TVCMを1日から全国で順次放映。商品特徴を訴求する一方、新たに投入した具入りタイプのサブブランド「プチッとうどんプラス」の価値を提案する。

同社に限らず、冷凍うどんを使って簡単に作れるメニューやレシピを提案する動きを含め、TVCMやWebCMの展開、WebやSNSを通じた情報発信、店頭展開を強化する動きが活発になっている。需要のさらなる底上げが期待できる。

白だしはコロナ禍を背景とした家庭内食、特に調理機会の増加に伴い、いわゆる間口、奥行ともに拡大。ナンバーワンブランドのヤマキ「割烹白だし」は21年度(4~3月)も前年比二ケタ増で着地し、8年連続二ケタ成長を達成した。

ヤマキは「割烹白だし」の新TVCMを16日から全国で放映。「だし巻き卵」「から揚げ」を通して商品特徴を訴求する。同社以外のメーカー各社もメニュー提案を軸に白だしの訴求を強化している。間口、需要のさらなる拡大が期待できる。