31億円規模と推定される大豆ミート市場のさらなる活性化に向けて、大塚食品は家庭用と業務用の両方で「ゼロミート」ブランドと消費者の接点を拡大していく。
2月25日発表した、製品部の阿部一世ゼロミート担当PMは「大豆ミート市場は近年、年平均成長率(CAGR)20%で伸びており『ゼロミート』も市場成長と並行するように目指していきたい。まだまだ試されていないお客様がたくさんおり、タッチポイントを増やす取り組みの1つがデニーズさまとのコラボメニューになる」と語る。
デニーズでは、既に一部の店舗で大塚食品とスターゼンが共同開発した「業務用ゼロミート」を採用。今年はこれを拡大し「ゼロミートハンバーグのパワーサラダ」として3月8日から全店舗(318店舗)での提供を開始した。
同メニューは、デニーズを運営するセブン&アイ・フードシステムも開発に携わり「業務用ゼロミートハンバーグ 生タイプ」の食感や味の改良を重ねたもの。
トライアル獲得を目的に家庭用からのアプローチも強める。
「知っていても食べたことがない生活者や食べてみたいと思われている生活者が多く、トライアルを増やす取り組みが市場成長に向けてのポイントだと考えている」とし、冷凍・チルドそれぞれの売場に向けて新商品を投入する。
冷凍食品売場では3月1日に「ゼロミート ナゲット」を新発売した。
同商品は“家族みんなで食べる「ゼロミート」”をコンセプトにしたお肉不使用・動物性原料不使用の大豆ナゲットで「お肉のナゲットはお子様のいる家庭では喫食頻度が高く、ファストフードでもお子様向けメニューになっていることから開発した」という。
子どもにも適した味わいとともにスパイスの風味が感じられる点も特徴。
1袋6個入りで販売され「冷食なのでストックしていただき、いつでも欲しい個数をレンジ調理できる」と述べる。
チルド食品売場に向けては3月28日には「ゼロミート ハーブソーセージタイプ」を新発売した。
同商品は、大豆加工食品を使用したお肉不使用・動物性原料不使用のハーブソーセージタイプで、「温めずにそのまま楽しめる」点を特長とし、ヘルシー志向の女性層をメインターゲットに“お酒とともに楽しむ夜のご褒美おつまみ”として訴求する。
将来の生活者に向けて次世代へのプラントベースフード啓発活動も展開する。
昨年12月末から、学研プラスの小学生向け学習教材「学研まんがでよくわかるシリーズ」から発刊された「大豆ミートのひみつ」を全国の小学校約2万校と公立図書館約3千200館、児童館約800館に順次寄贈している。
同教材は、大塚食品と学研プラスが共同制作し、大豆ミートについて学びながら「地球の未来のために何ができるか」について子どもたちが考えるきっかけとなることを目的としたもの。
大豆に関する基本的な知識にはじまり、家畜による環境負荷や人口増加による食糧問題、また健康維持に大豆ミートがどのように役立つか、プラントベースの考え方やSDGsについても触れながらストーリー仕立てで分かりやすく説明している。
また、いち早く大豆ミート製品の開発に着手した食品メーカーとして、大塚食品の製品開発秘話や製法のひみつについても紹介。図や解説、関連する豆知識なども豊富に盛り込み、大人も一緒に楽しめる内容に仕立てられている。
「『学研まんがでよくわかるシリーズ』は1カテゴリー1社で制作されるもので、大豆ミートでは大塚食品を選んでいただいた。この春には『大豆ミートのひみつ』のキャラクターを活用したデジタル動画教材を学研さまと共同制作して小学校へ提供していく」と意欲をのぞかせる。
なお「ゼロミート」の既存ラインアップは家庭用が「デミグラスタイプ ハンバーグ」「チーズインデミグラスハンバーグ」「ソーセージタイプ」「ハムタイプ」の計4品、業務用が「やわらかゼロミートハンバーグ」3種類と「ソーセージタイプ」「ハムタイプ」の計5品。
このうち家庭用4品は、動物性原料不使用の製品へと刷新し昨年10月から発売している。