「物語」で選ばれるビールに サッポロ「黒ラベル」刷新 多彩なブランド体験届ける

若者の支持をつかみ異例の成長を遂げた「サッポロ生ビール黒ラベル」。味だけではないブランドの「個性」と「物語」を競争軸に据え、熱狂的ファンの拡大へ今春からリニューアル発売する。

「26年にかけて予定される酒税改正をきっかけに成長が見込まれるビールは、(減税で)店頭での価格が下がる。それはお客様にとって重要な価値指標が下がるということ。手に取りやすくなるからこそ、ビールをよりプレミアムなものにすることが不可欠だ」。

3月28日の発表会でサッポロビールマーケティング本部の武内亮人部長は、家庭需要が高まる缶を成長ドライバーにビールの魅力化を実現する方針を語った。

「黒ラベル」は中長期的なマーケティング方針が奏功し、7年連続成長。この2年にわたるコロナ禍でも家飲みで活性化する市場を上回る実績で推移する。

購入率が全世代で拡大するなか、とりわけ20代の急激な伸びがけん引。「ロングセラーブランドとして驚異的なことと自負している。背景には、覚悟を決めて取り組んだ挑戦がある」(武内氏)。

味や価格など従来の選択基準に加えブランドの背景にある「物語」で選んでもらうため、10年以上にわたる一貫したマーケティングを展開。「大人の☆生。」をテーマとした妻夫木聡さん出演のCMに象徴される「大人への憧れ」や「黒ラベルを飲む自分」の自己表現願望をくすぐるコミュニケーションの成功が、この間の大躍進につながった。

リニューアルで追求したのは「バランス」だという。「評価が高い中味の骨格を変えたり、コクやキレなどの一要素をピックアップして強化したりはしない。黒ラベルが目指すうまさは、あくまでも全体のバランスが重要。何杯飲んでも飲み飽きないうまさを目指した」(ブランドマネージャー・齋藤愛子氏)。

新「黒ラベル」で届けるのは、商品にとどまらない「体験」そのものだ。3月28日からオンエア中のCMでは、おなじみ「大人エレベーター」をモチーフにブランドの歴史とこれからを妻夫木さんが伝える。

WEBで展開するブランド体験プラットフォーム「CLUB黒ラベル」も刷新。ビールの副産物を使ったオリジナルグッズ販売や“音声版大人エレベーター”と銘打つ「黒ラヂオ」をはじめとした多彩なコンテンツを通じ、熱狂的ファンを獲得。現在約30万人のサイト登録者数を、26年に100万人とする計画だ。

業務用でも、通年型のフラッグシップ店「黒ラベル THE BAR」を東京・銀座にオープン。飲食店でのプロモーションや体験イベントも通して、上質な生ビール体験を創出する。