「お~いお茶」525ml→600mlに増量して価格据え置き 国産茶葉の原料調達力で実現 女性層の獲得に商機 伊藤園

 伊藤園は「お~いお茶」の飲料基幹アイテム4品「緑茶」(本体)「濃い茶」「ほうじ茶」「玄米茶」の525mlを600mlに増量して3月から順次販売している。しかも価格は据え置きだ。

 コンビニでは従来から600mlを展開していたが、今回、この展開を量販店やドラッグストアなど全業態へ拡大した。

 さまざまな原材料や物流費が高騰し値上げ基調の環境下で、価格据え置きで全業態での増量に踏み切った理由について、安田哲也緑茶ブランドグループマネジャーは「より多くの方に緑茶飲料を飲んでいただきたい。その中で女性層の開拓余地が十二分に見込めることにある」と語る。

 増量で女性層の獲得が見込める点については「『健康ミネラルむぎ茶』や他社商品の動きをみていると増量する度に女性のお客様が増えている。600mlは“女性には多すぎて飲み切れない”と思われがちだが、実は逆で、増量したほうが女性のお客様の手に取られる確率が上がる」と説明する。

 コンビニでは主に男性層が量を求めて600mlを購入する傾向にあるのに対し、量販店では主に女性層が1日かけて飲み切る量としてコスパ重視で購入される傾向にあるという。

 男性が1日かけて飲み切る量としては1Lサイズが好調。「容器をスリム化したところ大きく伸長し前年比約2割増で推移し在宅需要を獲得できている」と説明する。

 品質面では、旗艦アイテムの「お~いお茶 緑茶」に「新・鮮度茶葉2022」と称する丸い原料茶葉を使用して中味を刷新し3月14日から発売している。

 茶葉は、摘採をした生葉を近接する加工工場で、鮮度を保ったまま荒茶へと加工される。
 その際、リーフ用は見た目も重視されることから棒形状にされるが、ドリンク用はそこにはこだわらず鮮度保持のために加工スピードを追求。酸素との接点を減らした丸い原料茶葉となる。

 通常よりも強い力で揉みこむことで、後の製造工程である火入れと抽出をより効率的に行えるようにした。これにより製造時間のさらなる短縮化を図り鮮度アップを実現した。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)