味と機能性を両立 ノンアルRTD「レモンズフリー」 酒好きの新たな選択肢に

コロナ禍で高まった健康意識から、缶チューハイなどのRTDでは低アルコール志向が強まる。さらには、ノンアルコールRTDもさまざまな生活シーンで急速に浸透。メーカー各社の商品投入が活発だ。

サッポロビールが15日から発売した「サッポロ LEMON’S FREE(レモンズフリー)」は、同社では約10年ぶりとなるノンアルRTD。アルコール分0.00%、クエン酸の働きで疲労感を軽減する機能性表示食品だ。

30年までの10年間で、ノンアルRTD市場は倍増すると同社では予測。今回、なかでも市場をけん引するレモンフレーバーで、しっかり濃い果実感と飲みごたえを実現したという。

「ノンアルRTDは、ビールテイスト飲料と比べて未開拓の領域。お客様の不満も非常に多い。味の未充足に加え、ノンアル特有の機能性を求めるニーズもある。既存の商品は味わいと機能性のどちらかに偏っていて、これらを兼ね備えた商品が少ない。ここにチャンスがある」(ビール&RTD事業部長・武内亮人氏)。

同社の調べでは、これまでよりからだの健康を気遣うようになった人が6割を占めた。またアルコール摂取量を気にするようになった人も4割と、コロナ禍を背景とした意識変化からノンアル需要が増えていると分析する。

グループのポッカサッポロが展開する「キレートレモン クエン酸2700」は、昨年の販売数量が前年比120%と伸長。疲労感軽減ニーズとともに、夜のリフレッシュシーンとレモンの親和性が高いと同社ではみている。

今回の商品ではクエン酸配合による機能性に加え、まるでレモンサワーのような満足感ある味わいを目指した。日常からアルコールを楽しむ人の新たな選択肢として、単なる酒の代替ではなく積極的に選んでもらえるブランドとする狙いだ。350㎖缶、参考小売価格122円(税別)。

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