地域スーパー団結へ3年間の成果強調 再編にらみ同士募る 新日本スーパーマーケット同盟

大手資本による食品小売業界の再編・集約が進むなか、「全国の独立系・地域有力スーパーマーケットが大同団結するための受け皿」となるべく結成された新日本スーパーマーケット同盟(アークス、バローホールディングス、リテールパートナーズ)はこのほど、結成から3年が経過した時点での進捗状況と今後の取組みを明らかにした。

「できることを思い切ってどんどんやる」(横山清アークス社長)との言葉通り、結成から3年で共同仕入れによる原価低減、共同販促、それぞれの地域商材の共同拡販、デリカ商品の共同開発、合同商談会の実施といった商品開発や販促面の取り組み、消耗品などの資材調達や管理部門の効率化によるコスト削減、共同出資による製販一体化といった成果を上げてきた。

半面、「全国にまたがる結集軸」(横山社長)、「このグループにどれだけの企業が参入してくるかがポイント」(田代正美バローホールディングス会長兼社長)、「日本列島を縦断する形で全国規模の受け皿になる」(田中康男リテールパートナーズ社長)など、結成時の会見で3社トップが期待を込めて語っていた同盟の規模拡大は進捗していない。

こうした状況下、3カ年の実績をアピールするとともに、スマートストア実現に向けたDX戦略の推進、同盟のノウハウを活用した物流戦略、アークスの新基幹システム共有による投資削減、SDGsといった活動を打ち出すことで、「全国の独立系・地域有力スーパーマーケットが大同団結するための受け皿になる」という結成当初の目的を再度訴え、同志を募る狙いとみられる。

実際、今後の活動として、スマートストア実現に向けた「自社アプリ・電子棚札・ストアメディア・レジカード・ID―POSなどのさまざまな分野において効果検証を各社で進め、成功事例を横展開することで効率かつ有意にDX戦略を進める」「アークスのシステム構築におけるノウハウをリテールパートナーズおよび新規に加盟し希望する企業などに提供することにより、開発期間やコスト最小化の支援を目指す」といったシステム開発、コロナ禍で一気に進んだキャッシュレスやデジタルマーケティングの取り組みなど、独立系、地域SMが単独では取り組み困難な項目を盛り込んだ。

コロナ禍により業種業態を超えた競争が激化、食品小売業界を取り巻く環境は激変している。新日本スーパーマーケット同盟は「独立系・地域SMの受け皿」として業界再編の主役を目指す。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)