米飯回帰の可能性は

ロシアのウクライナ侵攻で資源価格の上昇が懸念されている。WTI原油先物価格は08年以来の最高値を更新し、一時1バレル130ドルを突破。食糧分野ではシカゴ小麦が8日、期近で1ブッシェル14.2ドルの過去最高値を付け、大豆17ドル、トウモロコシ7.5ドルと高騰している。

▼昨年から食品業界では値上げが相次いでいるが、4月からの新年度もこの流れがさらに加速しそうだ。農水省は4月期の輸入小麦の政府売渡価格を5銘柄平均で前期比17.3%引き上げる。昨年10月の19%に続く大幅な上げ幅で、5銘柄加重平均価格(税込)はトン7万2千530円。最高値だった08年10月期に次ぐ水準で、この1年で約4割も上昇した。

▼通例であれば、製粉各社の粉価改定は6月中旬以降となるが、昨年秋に続く、大幅な引き上げが確実。パン・麺・菓子をはじめ、多くの食品価格に影響を与えそうだ。

▼値上げの春が本格化する一方で、コメの増量セールが頻発化している。コロナ禍で外食需要が落ち込んだ主食用米の消費を支援する自治体もあるようだ。内食化の定着とともに、米飯回帰の動きも注目される。