脱・天然ガス 業界初、CO2排出ゼロの水素焙煎に挑むUCC カーボンニュートラルなコーヒー製造を

UCC上島珈琲は、業界初の試みとして、コーヒーの焙煎でCO2排出ゼロの水素焙煎機の実用化に挑む。約143億円投じて新設され2024年上期(12月期)に稼働予定の「UCC山梨焙煎所」(山梨県笛吹市)に、水素焙煎機ほか、太陽光や水力などの再生可能エネルギーを導入しカーボンニュートラルなコーヒー製造を目指す。

2日発表した里見陵取締役副社長は「ガスを水素に代替するのは非常に技術的なハードルが高いが、官民・他業界の垣根を越えた連携でNEDOの助成事業の採択も受けてチャレンジする」と語る。

水素焙煎機で使用する水素は、この連携と採択を受けて開発されたP2Gシステムを使い、再生エネルギーをベースとした電気で水の電気分解を行ってつくられるため実質的にCO2フリーの熱源となる。23年に水素焙煎機の実用化を目指す。「焙煎は繊細な工程のため、味や香りが再現できるか、あるいはガス焙煎よりも良くなるかを確かめるため技術開発しつつテスト焙煎していく」という。

UCC山梨焙煎所では当面、P2Gシステムによる自家生成水素ほか、調達水素と調達LNG(液化天然ガス)のエネルギーミックスを採用し最適供給体制を検討しつつ「徐々に水素に移行していく」。

これに加えてUCC山梨焙煎所は100%再生可能エネルギーを使用した電力を使用する。山梨県で水力など再生可能エネルギーを使用した電気を購入するほか、焙煎所屋根などに太陽光パネルを設置して賄っていく。「山梨県は日照時間で日本トップクラス。データによっては完全にトップで、水力も非常に調達しやすい環境にある。山梨県も水素の開発に積極的に取り組まれている」と評する。

焙煎量は昨年実績で富士工場(静岡県富士市)が年間1万200tであるのに対し、UCC山梨焙煎所は「通常のシフトベースで年間1万7千t程度」を見込む。

また、富士工場と年間焙煎量約5千500tの北関東工場(埼玉県熊谷市)は、UCC山梨焙煎所の新設に伴い閉鎖する予定で、この2工場との比較でCO2排出量を30年に19年比51%削減、40年にカーボンニュートラルなコーヒー製造を目指す。