沖縄産黒糖 豊作と需要停滞でピンチ 販路開拓へ商談会

沖縄県黒砂糖協同組合はこのほど、沖縄黒糖の情報発信と販売拡大を図り、食品メーカーや卸関係者を招いて「沖縄黒糖商談会」を都内で開催した。商談会終了後には、イタリア料理レストラン「ピアットスズキ」オーナーシェフの鈴木弥平氏が監修する「沖縄黒糖特別ランチ」イベントを開催、オリジナルレシピを通じて沖縄黒糖の魅力を大々的にPRした。

商談会の冒頭、同組合の西村憲代表理事は「近年の甘味離れや健康志向の中で、黒糖の機能性が見直されている。黒糖にはビタミン、ミネラルが豊富に含まれる。カルシウムは上白糖の約240倍、カリウムには血圧上昇抑制効果も期待できる。沖縄黒糖の魅力を広く発信し、消費者に身近な甘味料として利用してもらいたい」と抱負を述べた。

現在、沖縄黒糖は8つの小規模離島で年間約8~9千t製造されている。黒糖製造の経済波及効果は大きく、離島における産業を維持し、人口流出を抑止して離島の定住化を支えるという観点から重要な位置付けとなっている。

近年さとうきびは豊作続きで、黒糖産糖量は高水準を維持している。一方、コロナ禍によりお土産向けなどの業務用需要が停滞し、黒糖の在庫水準は過去最高レベルにまで積み上がっている。沖縄黒糖の消費拡大、新たな販路開拓は差し迫った課題だ。

本紙の取材に対し、西村代表理事は「県外には黒糖をそのまま食べる文化はないが、コンビニの菓子売場でも扱っていただけるよう小袋商品を開発している。まん延防止措置が解除され、台湾などからのインバウンド需要回復も期待できる。今後もさまざまなイベントや販促活動を通じて、黒糖の消費拡大に取り組み、地域を支える産業の発展に努める」と語った。

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