「生のお茶って?」の新鮮さ失せた「生茶」 復活へフルモデルチェンジ断行 キリンビバレッジ

「生茶」が昨年、無糖茶カテゴリーの市場成長率を下回る結果を受けた動きとなる。21年の「生茶」販売実績は、昨年10月に新発売したプラズマ乳酸菌入りの「生茶 ライフプラス免疫アシスト」を含めて前年比2%減の2千752万ケースとなった。

今年は9%増となる3千万ケースの販売を目指す。

1月20日、事業方針発表会で山田雄一執行役員マーケティング部長は昨年の販売実績について「『生茶』本体(緑茶)が苦戦したことに尽きる。緑茶飲料の競争環境が変わり、競合の強いリニューアルなどいろいろなことがあった中で、『生茶』の存在感が薄まったと謙虚に反省している」と振り返る。

ブランドの大刷新は春に実施予定で、環境フラッグシップブランドの取り組みを推し進めて人と環境にやさしいブランドへと進化させる。

山田雄一氏(キリンビバレッジ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
山田雄一氏(キリンビバレッジ)

また鮮度感も高めていく。現状について「発売当初は『生茶』の名前は『生のお茶って何?』というひっかかりがあり新鮮だったが、発売21年目になると固有名詞化している。どういうお茶で、どういう味やおいしさを提供してくれるのかというお客様のイメージ形成が希薄化していると分析している」との見方を示す。

ブランドの柱と位置付けるのは、「生茶」本体と21年出荷箱数が300万ケースを突破した「生茶 ほうじ煎茶」の2品で、「生茶」本体の大刷新に伴い「ほうじ煎茶」も刷新する。環境フラッグシップブランドとしては、再生ペット樹脂100%使用の「R100ペットボトル」やラベルレス商品の拡充を図る。

2品のフルモデルチェンジでは、新規ボトルを導入して積載効率を改善していく。ラベルの短尺化やロールラベルの拡大に取り組みプラスチックの使用量削減にもつなげていく。