サーティワン「31年に31億円」 利益目標達成へ新たな成長戦略

B-Rサーティワンアイスクリームは16日、前期概況および10年後の31年に税引き前利益31億円を達成するというLRP(ロング・レンジ・プラン)戦略などを発表した。

前12月期の売上高は194億円、当初計画を6億3千800万円上回った。第1四半期はコロナ禍の緊急事態宣言により客数に影響があったものの、第2四半期からは新しいバラエティボックスとアイスクリームケーキを中心としたテイクアウト需要が奏功しプラスに転じた。税引前利益は12億円と前年を4億9千600万円上回る実績で、13年以来の最高益を達成した。今期は引き続きコロナ禍に配慮しつつ売上高194億円、税引前利益12億1千万円を目指す。LRP達成のため、これまで圧倒的にリードしてきたアイスクリーム市場だけでなくスイーツ専門店市場までシェアを拡大していく考え。

市場拡大の柱となるのが「LRP4つの原則」。

①ブランドパワーの強化=新たな市場の拡大
②ビジネスのデジタル化=本部機能のデジタル化やビッグデータを用いた待ち時間の短縮
③スマート31=SDGsへの新なチャレンジや、消費者、従業員ともに多くの割合を占める女性に対する支援
④販売拠点拡大=小笠原諸島やハワイ、台湾での事業拡大

――を掲げる。

また、これからの具体的なアクションプランとして、攻略すべき3つの消費者デマンドについて、「選びたい、あの味」「子供」「一緒に」を示した。今後マーケティングプランはデマンドごとに実行し、商品価値だけでなくユニークで新しい価値体験を同時に提供することで消費者ニーズ向上につなげる。

「選びたい、あの味」デマンドは、同社の売りである「ダブル」にのみ適用できるトッピングやキャラクターコラボを実施。フレーバーのことを考える接触時間を増やす工夫でより広い認知につなげる狙い。「子供」デマンドは誕生日、クリスマス、入学卒業など各オケージョンに合わせた施策を展開し、さらに親子で楽しめるイベントやオリジナルアイスクリームケーキの施策を伝えることで専門店との差別化を図る。「一緒に」デマンドは、昨年4月に発売したバラエティボックスが前年のバラエティパックとギフトボックスに比較して売上43%増、個数55%増と絶好調だったことから、引き続き季節やオケージョン、キャラクターコラボに合わせた限定デザインのボックスを展開していく。今後は自宅消費以外に手土産などあらゆる場面で活用してもらえるよう、利用シーンの提案も合わせて行っていく。

これまで1千300種類の新しいフレーバーを生み出してきた同社では、今後も新フレーバーを毎月展開していく。また、今年はアプリや店舗の大規模な刷新などを順次進める中でフレーバー選びのワクワク感はもちろん、引き続き見込まれるテイクアウト需要において自宅で家族と一緒に楽しめる新たな価値体験の提供にも注力する。SNSを使った拡散など消費者自身に参加してもらうことで、それぞれのお気に入りや楽しみ方を見つけてもらう考えだ。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)