カゴメ 植物性領域を拡充 飲料「植物性ミルク」、食品「PBF」で

長期ビジョンで「トマトの会社から野菜の会社」を掲げているカゴメが、今期から飲料事業では「植物性ミルク飲料」、食品事業では「プラントベースフード(PBF)」を加速し、植物性領域を拡充する。

飲料では拡大する植物性ミルク市場への対応強化として3月29日から新ブランド「畑うまれのやさしいミルク」(まろやかソイ、なめらかオーツ)を新発売し、「野菜や果実など植物性素材のブレンド技術により新しいおいしさを提案する」(鶴田秀朗飲料企画部長)。

同社では植物性ミルク市場(豆乳+その他)の市場規模は前年比103%の約800億円ととらえ、特にアーモンドミルクやオーツミルクなど豆乳以外の植物性カテゴリーが急成長していると指摘。「畑うまれ」に紙容器入りの200㎖と1千㎖の2つの容量を用意。植物性ミルクは料理用需要も高まっていることから茨城工場に7億円を投資し、大容量用の製造ラインを新たに導入した。新ラインでは「まろやかソイ」とともに「野菜生活100Smoothie」1千㎖3品も製造し供給能力を約2.3倍に拡大する。「『畑うまれのやさしいミルク』は流通商談でも高い味覚評価を得ており、3月29日からテレビCMの出稿も予定している」。

西村晋介部長(カゴメ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
西村晋介部長(カゴメ)

食品ではPBFを拡充する。「PBF市場は食品企業各社から製品発売が相次いでおり、当社もラインアップを拡大しながら売上が伸びている」とし、「一時的なトレンドではなく、まだ拡大余地は大きい。流通によって対応は異なるが、当社製品を扱っていただいている約半数の店が、店頭でPBFの専門コーナーを開設している」(西村晋介食品企画部長)。同社は2025年までにPBFで10億円の売上を目指している。

直近では20~30代、特に若年層や女性の支持率が高く、美容関心、健康意識、糖質オフ層の反応が良いと言う。そこで3月からエスニック用のPBF商品を2品(「大豆ミートのタコライス」「彩り野菜と大豆ミートのガパオ」)を発売し、新製品を加えシリーズ10品を展開する。既にTWOに資本参加しており、「2foods」ブランドのコンセプトである「Yummy But So Healthy(ヘルシーなのにやみつきになる美味しさ)」を重視したPBF商品も計画している。