カナカンが春季商談会 「問屋業に誇りを持って」谷口社長が檄

カナカンは9~10日、恒例の「春季総合企画商談会」を開催した。谷口英樹社長は開催に先立つ出展社向けあいさつを別室より放送で行い「値上げは社会的責任。ぜひ協力して乗り切っていこう」と促すとともに、「トモシアグループのテーマは『地域に、本気だ』。問屋業に誇りを持って取り組んでいく」と力強く語るとともに、22年の同社スローガン「誇りを持って仕事をしよう」を発表した。

会場はカナカンの企画コーナーと471社のメーカーが新商品などを提案した。企画では新年度、新生活に向けた提案として「朝食」に焦点をあて、生活スタイルの変化に合わせた「朝食を楽しく」「手軽に栄養補給」「手軽においしい食卓」「朝からしっかり食べよう」などをキーワードに、実際のメニュー提案は「朝からカニカマ」「朝からようかん」「朝からレンチン」「朝から腸活」などを提案した。

また、今春の同社オリジナルのイチオシ新商品は「五郎島金時ジャム」(税別400円)で、14日に発売した。加賀野菜のサツマイモ五郎島金時の品質に問題がない規格外品を使用し、食品ロス削減も図る。

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谷口英樹社長(カナカン) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
谷口英樹社長(カナカン)

「値上げは社会的責任」谷口英樹社長

第3四半期(4-12月)の業績は売上高103%、経常利益121%だが、一昨年比や予算比では大きく遅れている。チャネル別は、ドラッグストアが昨対・一昨年比ともに二ケタ増。SMは広域・地場ともに昨対割れも一昨年比は増加。酒販店は引き続き厳しく昨年より減で一昨年比は大幅減。業務用は、集団給食は大きな減少はないが、営業給食は前年比微減、一昨年比では大幅減が続いている。

また、物流費などさまざまなコスト高などにより、粗利の低下につながっている。値上げは悪ではなく、社会的責任。これをメーカーさまとともに成し遂げられるかどうかが当社の業績を左右する。

2022年の当社スローガンは「誇りを持って仕事をしよう」とした。目先の売上にとらわれた商売をするのではなく、グループテーマ「地域に、本気だ」を実行していく。ただ、それにはコストがかかる。社会から必要とされる企業になっていくため、問屋業に誇りを持って取り組んでいく。

新たな取り組みは、AIの発注システムを導入し、一部の専用センターで先行導入し、欠品率や在庫率が下がる効果も出ている。今後は汎用センターにも展開していく。また、環境問題やロス削減にも積極的に取り組んでおり、廃棄を最終的に水になって下水に流せるごみ処理をデリカ工場に導入し、ゴミ廃棄削減などに努めている。

そのほか、新潟県長岡市の新3温度帯物流センターは予定通り22年秋竣工で進めている。

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