J-オイルミルズ「強みは人財」 新体制でさらなる成長へ 八馬社長、佐藤次期社長が会見

J-オイルミルズはこのほど、第3四半期決算説明会をオンライン開催。八馬史尚社長および、4月1日付で社長に就任する佐藤達也取締役専務執行役員が今後の方針について説明した。来期は旧ホーネン、旧味の素製油の経営統合から20年、第六期中期経営計画の2年目を迎え、新たな経営体制のもとで持続的な成長と企業価値のさらなる向上を図る。

2015年の社長就任以来、倉敷工場の竣工、新企業理念やコミュニケーションブランド「JOYL」の制定など変革を進めてきた八馬氏は、4月1日付で代表権を有さない取締役となり、6月開催予定の定時株主総会をもって退任する。

八馬社長はこの7年間を振り返って「第五期中計(17-20年)では既存の強みを生かした成長戦略と将来投資に向けた基盤固め、組織風土改革を進めてきた。今期からスタートした第六期中計では『Transforming for Growth』を掲げ、次の時代を見据えた抜本的な変革と持続的な成長実現に向けたチャレンジを始めている」と語った。

コロナ禍の影響と未曾有の原料高による厳しい状況下でのタイミングとなるが、「次期社長の佐藤氏は国内だけでなく海外での実務経験も豊富で、多くの実績を上げてきた。昨年4月からは専務執行役員として第六期中計推進の中核を担い、長年の海外経験で培われたドラスティックな変革への意思とスピード感、力強い実行力を有している。難局を乗り越え、さらなる成長を実現できると確信している」と説明した。

「油脂事業の立て直し急務」佐藤氏

次期社長の佐藤氏は「J-オイル入社前は味の素社で会社人生の大半となる通算27年間を海外勤務で過ごしてきた。主として従事してきた職務は医療用アミノ酸事業。私が培ってきた異なる視点・経験を持ち込むことで、より良い相乗効果を生み出し、さらなる成長・発展に貢献していきたい」と抱負を語った。

その上で、佐藤氏は「未曾有の原料高に直面している油脂事業の立て直しが喫緊の課題。スピード感を持って対処する」と語り、第六期中期経営計画の目標達成に全力を挙げる方針を示した。

大幅減益となった今期の概況について、八馬社長は「油脂事業への依存度に加え、コロナ禍で厳しい業務用の構成比が高いことが影響した。家庭用高付加価値品の競争力強化、油脂加工品事業の採算悪化など、構造的な対応が経営課題であり、将来を見据えた油種の産地多様化、販売のフレキシビリティ向上も必要」とした。

その上で「食品産業の中で、油脂は装置産業的な色合いもあり、アミノ酸事業に近い性質もある。価格フォーミュラーの見直しも含め、原料事情に適応した価格形成を早期に確立できる仕組みづくりを進め、世界的な油脂需要の高まりを追い風にできるよう新体制での取り組みに託していきたい」と語った。

佐藤氏は「北米のアミノ酸事業では厳しい時期もあったが、関係会社の経営を立て直し、現在も成長を続けている。こうした経験を生かし、J-オイルミルズの成長に貢献していきたい」と意気込みを示した。

「J-オイルミルズの強みはいろいろあるが、一番の強みは人財。ポテンシャルを発揮し、共創があらゆるところで生まれる組織風土をつくり、時代の変化に臆することなく果敢の挑戦を続け、社会に価値を提供する企業としての責務を果たしていく」と強調した。

また、八馬氏も「(3社統合から約20年が過ぎ)J-オイルミルズとなってから入社した人財が半数を超えている。今後ますます旧事業会社の強みと、新たに加わった人財の強みが融合し、インクルージョンすることで成長できる」と期待を寄せた。

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