そうめん商戦始まる 恒例のト定祭、占いは「高値」

手延そうめん商戦の始まりを告げる「卜定祭(ぼくじょうさい)」が5日、奈良県桜井市の三輪明神大神神社で挙行された。商戦の盛況を祈願するとともに、昨秋から今年6月まで生産される「令和三年度産そうめん」の初売価格を占いで決定する。主催は奈良県三輪素麺工業協同組合、その販社企業8社で組織する奈良県三輪素麺販売協議会。

コロナ感染拡大により2年続けて規模を縮小し、参列者を地元の業者に限定して催した。大神神社で行われた神事では、宮司による祈祷や巫女の舞、代表者による玉串奉納が行われた。

その後の卜定の儀では、組合産そうめんの9割を占める「三輪の誉(ほまれ)」1箱18㎏の初相場を、「安値」「中値」「高値」の中から占い、今年は2年ぶりの「高値」の宣託がくだった。これにより「三輪の誉」の初売価格は、前年より200円高の1万1千円に決定した。

巫女の舞が披露された(卜定祭/三輪明神大神神社) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
巫女の舞が披露された(卜定祭/三輪明神大神神社)

例年は本殿境内で行われていた組合婦人会による「三輪素麺音頭」「三輪掛歌」を中止して、その後関係者は大行事社、恵比須神社に移動して商戦繁盛を願った。

なお「高値」の結果について小西幸夫理事長は、「手延べそうめん生産を伝えていくためには、三輪だけでなく業界全体で労働力を確保できる環境が必要。人件費や原材料は依然高騰したままであり、将来的にも生産者が利益を得られる仕組みを模索していきたい」とコメント。

また池田利一・販売協議会会長(池利社長)は「高値が出た年はそうめんがよく売れると言われている。暗いニュースが続いていたが、前を向いて例年以上に三輪そうめんの販売に力を入れたい」などと話した。