日本酒離れに危機感 「精米歩合1%」の大吟醸も 山形・楯の川酒造

復権へ新プロジェクト始動

190年の歴史を持つ山形県酒田市の蔵元・楯の川酒造では、日本酒の復権を目指す新ブランド「SAKERISE(サケライズ)」プロジェクトを始動する。

同社が昨年12月に行った消費者調査(全国1万人対象)では、日本酒を「1年以上飲んだことがない」「これまで飲んだことがない」との回答が7割超。20~40代女性では約8割を占めた。

日本文化の一つである日本酒が手に取りにくい酒になっている現状に危機感を覚えた同社では、これまで手に取ってこなかった人にも飲んでもらえる「新しい時代の日本酒」の開発に着手した。

主原料である「米」にこだわる同社は、2005年から地元・庄内の農家との契約栽培を開始。10年からは純米大吟醸に特化した蔵として「磨き」に挑戦し続け、当時としては前人未到だった「精米歩合1%」の日本酒「光明」の製品化に成功。昨今では精米歩合20%以下の高精白日本酒の醸造を強化し、専用の仕込み蔵も新設した。

「SAKERISE」プロジェクトでは、山形県庄内の風土を7つの「光」で表現。酒の味そのものを味わうだけでなく地域の風土や気候、作り手の思い、蔵の歴史など、酒が生み出される中で取り巻く要素や背景をストーリーごと楽しめる商品設計を目指す。

第1弾は「夜明け」をイメージした光をテーマに今春販売予定。1月28日からツイッターとインスタグラムでブランド公式アカウントも開設し最新情報を発信している。

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