昭和産業は3月1日納品分から、油脂製品の価格を引き上げる。上げ幅は▽家庭用食用油40円/㎏以上▽業務用斗缶(16.5㎏製品)700円以上▽ミニローリーおよび加工用バラ40円/㎏以上。
20年後半からの油脂価格高騰を受けて、同社では昨年3月、6月、8月、11月と計4度にわたって累計で㎏当たり140円以上、斗缶製品で2千300円以上の価格改定を実施してきた。
その後もカナダ産菜種の大幅減産や、7年ぶりに高値を付けた原油相場の影響により菜種先物相場が上昇し、高値水準を維持している。
さらに、熱波の影響で昨年秋に収穫されたカナダ産菜種は記録的な低油分となっていることや、円安の進行により油脂コストの上昇傾向に歯止めがかからないなど、搾油環境は一層厳しさを増している。
大豆についても、南米大豆はラニーニャ現象の影響とみられる高温乾燥で減産懸念を材料に、シカゴ大豆相場は再び上昇。パーム油についてもタイトな需給関係が続く中で、新型コロナ再拡大による集荷労働者不足も相まって相場が上昇している。
こうした状況を受けて同社は24日、3月期の連結業績予想を修正し、通期の利益予想を引き下げたばかり。今後も油脂のコスト環境は厳しい見通しで、販売価格の引き上げを急ぐ方針だ。