ワインに「缶」「ノンアル」 最後の未開拓市場へ照準 サントリーワイン

「お酒を飲む環境が大きく変化し、お客様がワインに求めるものも変わった。若い方が入ってきたり、ちょっと高いワインが売れたり。変化に合わせて、新しいお客様にワインを飲んでいただけるような日本ならではのワイン文化を提案したい」。そう語るのは、サントリーワインインターナショナルの吉雄敬子社長。21日の会見で、今年の事業方針を説明した。

昨年はコロナ禍による業務用の激減から国内ワイン市場が打撃を受けるなか、同社の国内売上高は前年水準の売上げを維持。海外との合計では107%と前年を上回った。

販売の7割以上を占める家庭用では、20~30代で間口が拡大。家飲み機会の増加からエントリー層の流入が顕著にみられ、ワンランク上のワインを手にする動きも追い風となった。

今年、同社では日本ワインを大刷新。また国産カジュアル商品も強化する。そして力を入れるのが、「缶」と「ノンアル」による新需要開拓だ。

度数5.5%の缶入りRTD「サントリーワインカフェ〈ワインソーダ〉」(赤・白、各350㎖)を2月15日に発売する。昨春発売した「ワインサワー」の好調を受け、ブランド名称を刷新。おいしくなって新登場した。ソーダで割ったワインを気軽に楽しめる特長はそのままに、サワーよりも本格感を高めるべく「ワインのソーダ割り」として訴求する。

「缶は、普段ワインを飲まない人がターゲット。ただ昨年発売してみると、ワインをよく飲む人にも『(サイズが)ちょうどいいね』『これなら赤と白両方飲める』と好評。両方のターゲットを視野に商品化した」(吉雄氏)。

缶ではこのほか、輸入スパークリングワインやスティルワイン、ボトル缶など各種を展開。今後もラインアップを拡大する計画だ。

「ノンアルでワインの休日」(サントリーワインインターナショナル)
「ノンアルでワインの休日」(サントリーワインインターナショナル)

また「ノンアルでワインの休日」(赤・白、各350㎖缶)も3月1日から発売。ワインからアルコール分を取り除いて作ったエキスを使用し、ノンアルコールでも本格的なワインのような味わいを目指し開発した。

「ワイン市場におけるノンアルコールは全体の0.6%と、ないに等しい。選べる種類が少ないと考えているユーザーが多く、市場ポテンシャルは高い」(同)とみる。

ワインらしい瓶ではなく、あえて缶入りとしたねらいは。

「『今日はノンアルを飲みたい』というお客様は、わざわざ瓶が並ぶワインの棚まで行かない。(ビールテイスト飲料などと)同じ気分で選んでいただきたいと考えた」。

他ジャンルのノンアル飲料と並ぶ、新たな選択肢として提案。新市場創造にチャレンジする。