意図を明確に

最近恒例の週末散歩で上野の森を歩いた。何度も観劇しているが、東京文化会館は落ち着いた華やかさがあって素晴らしい劇場だ。設計した前田國男さんはル・コルビュジエの弟子で、向かい合う国立西洋美術館はル・コルビュジエの実施設計だったから師弟の作品を同時に眺めることができる。

▼来月はここで東京バレエ団の「白鳥の湖」が開演予定でチケットを購入した。久しぶりのバレエ鑑賞もここにきての感染拡大が不安。不安を払拭するにはバレエ映画を見るに限る。

▼自宅に戻り録画してあった未見の映画「ブラックスワン」を鑑賞。バレエ映画かと思ったらそうでもなく、陰湿ないじめ映画でもなく、主人公の舞台への思いと葛藤を描く真面目な映画でもない。モチーフにバレエを、白鳥の湖を選んだのか腑に落ちなかった。

▼美味い、不味いは別としても、食事ならば和洋中と分類した上で胃の腑に落としたなら納得感は得られる。創作料理でも映画でも分類できず、意図が分からないとつまらない。いよいよ春夏商戦。意図がはっきりした新商品を期待したい。

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