冷食業界初、紙を一部使用したパッケージ採用 味の素冷凍食品「地鶏釜めし」 プラ使用量削減を推進

味の素冷凍食品は、家庭用冷凍米飯「地鶏釜めし」の袋パッケージをプラスチックフィルムから、紙を一部使用したフィルムに変更する。国内の冷食業界では初の取り組み。2月6日以降、順次切り替える。

冷凍食品は温度変化で結露が発生しやすいため、耐水性の弱い紙フィルムの袋パッケージ化は高いハードルとされてきた。同社では、何パターンもの包材と包装技術開発の試行錯誤を繰り返し、検討開始から1年半で今回、紙を一部使用した袋パッケージの製品化を実現したもの。国内冷食業界では初の取り組みとなり、パッケージ変更により従来品比で約9.7%のプラスチック使用量削減を見込んでいる。

「地鶏釜めし」は21年秋に発売。国産米と徳島県産阿波尾鶏を使用し、一釜一釜直火で炊き上げ、味わい深いご飯に仕上げた冷凍米飯。紙を一部使用した袋パッケージの変更により、竹皮モチーフのパッケージデザインを手触りからも感じられ、「専門店品質の和ごはん」という製品コンセプトをさらに強化する。

あわせてパッケージ表面には紙のリサイクルマークを追加し、裏面ではプラスチック使用量を削減していることを生活者に分かりやすく伝えるため、コーポレートキャラクターの「あじぺんECO」マークを記載。プラスチック使用量削減により、同社が掲げる「より良い地球環境づくりに貢献する」というミッション実現を目指す。

味の素冷凍食品では、冷凍食品の提供価値を高め、世界の人々の健康で豊かな暮らしと、より良い地球環境づくりに貢献するASV(味の素グループシェアードバリュー)を推進。社会価値と経済価値の共創を進めている。この方針のもとで、20年度はトレイ不使用製品の開発や、パッケージサイズの縮小など省資源化に取り組み、合計約50t/年のプラスチック使用量削減を実現してきた。

味の素グループでは、プラスチック使用量削減とともに、プラスチックを廃棄物ではなく資源として循環できるような新素材や新技術の開発を強化。2030年度までに「プラスチック廃棄物のゼロ化」を目指し、環境負荷の低い製品づくりなどSDGsの取り組みを強化している。

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