店舗販売の存在意義を実感

都心に雪が降り積もった日、ある企業の接客ロールプレイングコンテストを取材する機会に恵まれた。全国の直営店から選ばれた販売員のスキルの高さには驚かされた。第三者として接客の一部始終を目にする機会もそうはない。販売員の機転や会話の引き出しの多さに感心する一方で、自身が「最近、接客されていない」ことにふと気づいた。

▼通販市場はコロナ禍で年20%以上の成長を遂げた。拙宅にも毎日のように何かしらが届く。買物に行くといえば近所のスーパー、コンビニ、あるいは時折の外食ぐらいだろうか。給油はセルフ、日用品から服、書籍までネット購入が当たり前になった。

▼通販は大変便利だが、販売員とお客役との見事なやり取りを見てしまうと店販の存在意義をあらためて感じる。コミュニケーションを通じてお客の悩みを引き出す力と提案する力はプロの技だった。

▼先述の企業は、美と健康の通販の雄。一方で店舗の販売員育成に力を注ぐ姿勢には共感した。良い接客は見ていて気持ちが良い。街を歩き、久しぶりにゆっくり買物をしたくなった。

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