日本コカ・コーラ お茶カテゴリーを強化 5つの新しい消費行動に着目

コカ・コーラシステムは今年、茶系飲料全体で存在感を高めていく活動を展開している。

「綾鷹」ブランドから「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」、「紅茶花伝」ブランドから「無糖ストレートティー」、機能性表示食品では「からだおだやか茶W」の新商品をそれぞれ投入。麦茶飲料市場に向けては実質的な新ブランドとなる「やかんの麦茶from一(はじめ)」を立ち上げた。

昨年12月22日、日本コカ・コーラ小林香予コーヒー・ティー・スポーツ&ウォーターカテゴリー事業本部長は「年始にお茶市場においてもリーディングカンパニーを目指したいと表明したが、コカ・コーラ社のお茶カテゴリーの年としてはある程度実績を体感できる良い一年になった」と振り返る。

日本コカ・コーラは、お茶カテゴリーで以下の5つの新しい消費行動に着目。来年に向けてもこの5つに対応すべくお茶カテゴリーを継続強化する。

①節約意識とそれに反発して起こるプチ贅沢意識
②セルフメディケーションの高まり
③信頼・関係性重視の傾向
④家の多機能化
⑤デジタル・マインドセット

この中で今年、プチ贅沢意識をとらえてヒットしたのが「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」で「カフェに行かなくても家の中で働いているときに飲む「ちょっとした贅沢」の需要がとらえられたと思っている」と説明する。加えて「紅茶花伝」のラインアップ強化も同様の需要をとらえることができたと総括。

マーケティング本部の(左から)助川公太氏、小林香予氏、山腰欣吾氏(日本コカ・コーラ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
マーケティング本部の(左から)助川公太氏、小林香予氏、山腰欣吾氏(日本コカ・コーラ)

節約意識に対しては、家庭内需要の取り込みを強化するコンビニ向けに950㎖の容量帯を強化。「やかんの麦茶」もその一つで、「やかんの麦茶」は発売から約半年間で累計出荷本数2億本を突破した。この記録は、過去3年間で発売されたコカ・コーラ社製品では最速の速さとなり「今回、『やかんの麦茶』を出したことでお茶カテゴリーすべての主要セグメントで強力なブランドを配備できた」と胸を張る。

セルフメディケーションに対しては、ダイエットニーズへの対応商品が主流だった健康機能系飲料市場の中に、記憶力と血圧にWではたらくGABAを配合した機能性表示食品「からだおだやか茶W」を発売しトライアル喚起に成功した。

信頼・関係性重視の傾向とデジタル・マインドセットを受けた動きとしてはラベルレスボトルを引き続き強化していく。

デジタルでは今後、コカ・コーラ公式スマートフォンアプリ「Coke ON」の進化に挑む。「当初は自販機チャネルに特化したアプリのプラットフォームだったが、その自販機を超えた取り組みも一部のエリアではスタートしている。そういったものをさらに強化することで、一人一人のお客様とコカ・コーラ社商品の接点を増やしていく」と語る。

今年は、お茶カテゴリーで清涼飲料水以外の新領域開拓にも挑戦。

キューブ1粒を水またはお湯に入れて軽く混ぜるだけで淹れたてのおいしさが楽しめる新ジャンルのフリーズドライ飲料「1,2,CUBE(ワン・ツー・キューブ)」は、家の役割が休息や食事の場以外に働く場にもなっている多機能化に着目して開発されたもので「消費行動の変容を踏まえてパイロットテストを試みたところ物すごくご評価いただいた。現在、新たなお得意先さまとのパイロットを視野に入れている」とし継続強化の考えを明らかにする。