乳業団体が賀詞交歓会 コロナ後初開催 一丸となり課題解決目指す

乳業団体合同新年賀詞交歓会(主催・日本乳業協会など13団体・社)が6日、都内のホテルで開かれた。コロナ前は酪農乳業関係者ら約1千人が一同に会する新春の恒例行事だったが、今回は出席者を約100人に絞り、万全の感染症対策を講じた上での開催となった。

冒頭、主催13団体を代表してあいさつした宮原道夫日本乳業協会会長は「年末年始、大幅な需給緩和による処理不可能乳の発生が危惧された。需給調整や最大限の生乳消費の努力とともに、国、自治体トップの方々からの消費拡大の呼びかけによる需要の高まりもあり無事乗り切ることができたが、(バター、脱脂粉乳などの)乳製品在庫は過去最高水準に積み上がり、過剰在庫を抱える乳業者には大きな負担となっている。今後も在庫は積み上がるものと予測されており、危機感を強めている」とし、喫緊の課題として生乳未処理乳の発生回避と過剰在庫の解消に取り組む考えを示した。

Jミルク 川村和夫会長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
Jミルク 川村和夫会長

川村和夫Jミルク会長も「第一の山場であった年末年始、処理不可能乳を発生させることなく乳製品への処理を進めることができたが、危機的な状況は継続している。積み上がっている脱脂粉乳在庫の解消も2022年度には顕在化する。消費拡大だけでは持ちこたえられないことも想定しなければならない。生乳という保存のきかない農産物にとって、大量廃棄などの混乱は生産基盤を大きく傷つけてしまうことも認識しなければならない。真摯に向き合い、将来の酪農乳業が誤らない道筋を見いだしていかなければならない」と語り、生産者と乳業者が一丸となり課題解決に取り組むよう訴えた。

コロナ前は、農林水産省、厚生労働者、消費者庁などの来賓祝辞の後、牛乳乳製品の消費拡大を祈念し牛乳による乾杯が行われていたが、今回は感染対策を考慮し見送られた。2年ぶりの開催となった賀詞交換会。オミクロン株の感染急拡大という状況もあり、規模を含めこれまで通りとはいかなかったものの、西尾啓治全国飲用牛乳公正取引協議会委員長による一本締めは、酪農乳業界にとってアフターコロナに向けた第一歩となった。

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