「元祖作り置き」おせちに学ぶ知恵

正月料理は、「ワンプレートおせち」にした。一人分ずつ、大きめの皿一枚に盛り付ける。重箱を持ってなくとも気軽に楽しめるほか、食べる分以外は冷蔵保管するため、日持ちがしやすい利点もあって近年人気だ。

▼そもそもおせち料理は三が日に家事を休めるようにと作られた「究極の作り置き」だ。冷蔵庫がなくても保存できる料理だけで構成されている。ポイントは、保湿性・防腐性に優れた砂糖、脱水作用の高い塩などを上手く組み合わせた調理方法にある。

▼食材が腐敗する理由は、細菌の増殖によるもの。ほとんどの食材には水分が含まれているため、砂糖や塩で水分を取り除くことで細菌の繁殖を防ぐ。たとえば定番の煮しめはこれらの調味料に加えて、さらに加熱することで細菌を死滅させる。紅白なますは、殺菌効果の高い酢の力を採り入れている。

▼砂糖や塩には、料理を痛みにくくする効果があるのに意外と知られていない。おせち料理を学べば、保存食のコツが見えてくるはずだ。先人の知恵と工夫が詰まった料理は、元祖作り置きレシピだと考えると、知れば知るほど奥深い味わいに感じた。