睡眠市場に通販最大手サントリーが参入 「快眠セサミン」発売

加齢による睡眠時間の低下や働き方改革に伴い、効率的で質の良い睡眠が求められる中、食品業界は5年ほど前から睡眠ビジネスにアプローチしてきたが、来年1月19日から通販最大手のサントリーウエルネスが機能性表示食品「快眠セサミン」を通販で発売し、睡眠市場に参入する。健康食品や化粧品など年間200万人以上の顧客をカバーしている企業だけに、同社の参入による市場の加速は間違いない。

1日3粒で、セサミン類が睡眠の質(寝つき、眠りの深さ、寝覚め)を向上させ、L-テアニンが起床時の疲労感を軽減させる効果がある機能性表示食品として発売。L-テアニンには、睡眠の質の一部である起床時の疲労感を軽減する機能があることが報告されている。同社では、加齢や生活様式の変化などによって睡眠に悩みを持つ人を対象に発売。90粒/30日分、販売価格は4千800円(税別)。

睡眠市場には医薬品の睡眠改善薬も出回っているが、5年ほど前から注目されてきたのは睡眠をサポートする栄養素(グリシン、テアニン、GABAなどのアミノ酸)を含んだサプリメントや機能性食品、ドリンクなどが各社から発売されたため。

味の素社や大塚製薬、ヤクルトヘルスフーズ、ハウスウェルネスフーズ、アサヒ飲料、アサヒグループ食品、エスビー食品、ロッテ、ライオン、大正製薬、小林製薬、江崎グリコ、カルビー、ファンケルなど各社がサプリメントや加工食品、飲料などで積極的に展開。その背景には、コロナ禍でのストレスやリモートワークなどによる生活リズムの変化が睡眠の質を低下させていることもある。「睡眠とコーヒー」は一見相反するようだが、ネスレ日本も体験型カフェ「ネスカフェ睡眠カフェ」を展開。このほか、乳業や飲料、調味料系企業なども参入を計画している。

サントリーでは今年の睡眠サプリ市場は120億円規模とし、直近5年間で2倍に拡大と分析。キャンペーン応募者を対象に、対話アプリ「LINE」で睡眠タイプに合わせた専門家のアドバイスが無料で受けられるサービスも展開する。