ラベルレスボトルに「驚きや楽しさ」を アサヒ飲料・米女太一社長が意欲 

ブランド認知はコミュニケーションで補完

アサヒ飲料の米女太一社長は16日、ラベルレスボトル商品の販売数量が9月に年間販売目標の300万ケースを突破したことを受けて、ラベルレスボトルの拡大と進化に意欲をのぞかせた。「既存のラベルレスボトルを広げることに加えて、先駆者として新しいラベルレスボトルの形をどんどん提案していきたい」と述べ、直近の新提案としてペットボトル(PET)に商品名などを直接印字した「十六茶」のラベルレスボトルを挙げた。

「十六茶」ラベルレスボトルは、リコーのレーザーマーキング技術を導入して、これまでタックシールやネックリンガーなどに記載していた商品名・原材料名・問い合わせ先・リサイクルマークの必要情報を直接印字したもので、21日にAmazon.co.jpで数量限定発売した。

「(コロナ禍による消費者の行動変容が)具体的に出ているのは健康と環境で、ここに向けて的確なマーケティングを行う必要がある。その一例がラベルレスボトルで、ラベルレスボトルが進化した形のレーザーマーキング技術について注目していきたい」と語った。

必要情報をボトルに直接印字(十六茶/リコー レーザーマーキング技術)
必要情報をボトルに直接印字(十六茶/リコー レーザーマーキング技術)

ラベルレスボトルは通常、ラベルに記載している原材料名などの一括表示を外装の段ボール(ケース)に記載する必要があるためケース単位で販売されている。

これに対し、必要表示内容を極小タックシールに記載して単品販売を可能にした「シンプルecoラベル」については「全く形態が異なるラベルレスボトルで『こんな商品も出るのか』という驚きや楽しさも提供できた」と評した。

「シンプルecoラベル」は、「おいしい水」(585㎖PET)に採用され「おいしい水 天然水 シンプルecoラベル」の商品名で東日本の一部エリア限定でのテスト販売を経て9月から全国発売されている。

この単品販売を可能にした点や環境負荷低減に加えて、リサイクル時にはがしやすいという機能性が評価されて「2021年度グッドデザイン賞」を受賞した。

富士山工場の製造ライン(アサヒ飲料)
富士山工場の製造ライン(アサヒ飲料)

ラベルレスボトルは、無糖飲料を中心に広がりをみせているほか、スーパーで4本入りのマルチパックなどまとめ買い需要を喚起したことでECチャネル以外での購買機会が拡大している。

アサヒ飲料調べによると、ラベルレスボトル市場はコロナ禍の在宅時間増加を背景にEC需要の拡大や飲料各社から相次いでラベルレス商品が発売されたことで拡大傾向にあり、1-6月は243%になったと推定。

この拡大の背景について米女社長は「ラベルをはがす手間がなくなることに加えて、世の中のことを真剣に考えなくてはいけない空気感が出てきている。コロナ禍で環境に対する関心がますます高まっている」とみている。またラベルをなくすことでブランド認知がされにくくなる可能性については「既にブランドが認知され『おおよそこういう商品』と分かるものについては大きな齟齬はない。SNSをはじめとしたコミュニケーションツールも活用すれば十分補完できる」との見方を示した。