10月4日に94歳で死去した大物(大阪市)の創業者、日阪一郎氏の「お別れの会」が16日、リーガロイヤルホテルにおいて開かれた。約500人が参列し、同社のロゴが生花であしらわれた祭壇に献花、故人をしのんだ。
1928年(昭和3年)、大阪市に生まれた日阪氏は51年、鶴橋に乾物・缶詰卸の日阪商店を創業。58年、この年に発売された日清食品の「チキンラーメン」と運命的な出会いを果たし、その販売を目的とした大阪物産を創業する。61年には三菱商事と取引を始め、扱い商品と販路を拡大した。
94年、CIを導入し現社名に変更。創業50周年を迎えた2008年には売上高が100億円を超えた。13年、日阪俊典氏に社長を引き継ぎ会長に就任。60周年の18年には、それまでの人生を振り返った「チキンラーメンを広めた男の物語」を上梓した。
会場には「競争力の原点は営業力」「仕事は自分で取ってきてするもの。自分で取りにいかなあかん」といった語録とともに日阪氏の一生を振り返った写真が並び、多くの参列者が長い時間足を止め故人との思い出を懐かしんでいた。
日阪俊典社長は「多くの方々に参列いただき、会長と大物の歴史を見ていただいたことに感謝している。創業精神である『お客様への奉仕の心』と会長から受け継いだスピリッツを大切に、感謝の心を忘れず、今後も社業の発展に邁進していきたい」と語った。
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