冷凍食品、相次ぐ値上げ 油・畜肉原料・小麦粉価格の急激な上昇で「影響は甚大」 コンテナ運賃など物流費の上昇も追い討ち

 さまざまな食品の値上げが発表されているが、冷凍食品でも家庭用・業務用ともに価格改定の発表が相次いでいる。
 各種コストの上昇が激しく、企業努力だけでは吸収できなくなったためだ。
 また、コロナ禍の影響で海外工場の労働者不足が顕在化したことも響いている。

 マルハニチロ、味の素冷凍食品、日本水産、ニップンは2月1日納品分から、テーブルマーク、日清食品冷凍、昭和冷凍食品は3月1日納品分からの値上げとなる。

 既に11月に値上げを実施したニチレイフーズは、その後もコスト環境の厳しさが増しているとみており「状況を注視したい」と話す。

 背景にあるのは急激かつ大幅なコストの上昇だ。

 世界的な人口増で原材料価格が上昇していたが、今年に入り各国でコロナ禍が落ち着き、規制が緩和されたことで食料需要が膨らみ価格は高騰。
 特に油、畜肉原料、小麦粉価格は急激に上昇した。冷食に多く利用されているものであり「影響は甚大」(メーカー)との声は多い。

 欧米諸国で規制が緩和されたことは、物流の需要も押し上げ、海上コンテナが逼迫。日本でも輸入ワインの一部が休売に追い込まれているほどだ。

 コンテナ運賃は21年に入ってから大きく跳ね上がり、5倍ほどになった便もある。中国との間でコンテナ獲得競争になることもあり、価格を押し上げる要因にもなっているという。
 さらに原油価格も21年初から上昇を続けておりエネルギー費を直撃。ここ数年、継続的に上がり続けていた物流費の上昇にも拍車をかけた。
 また、タイなど東南アジアでは、新型コロナウイルス感染症拡大が続き工場労働者が不足。工場の稼働率が低下したり、原料の確保が厳しくなったりしたことも影響した。

 コストの急上昇は各メーカーを直撃。最大手のニチレイはコスト上昇が響いて第2四半期は減益だった。今年の営業利益は前年を上回っていても、19年に比べれば減益になる企業もある。

 合理化やコスト削減は当然に進められたものの、もともと冷食は利幅が小さいこともあり、5~6月頃には「このままでは価格の維持は難しい」といった声も聞かれていた。

 やむを得ないとはいえ、販売動向に響く可能性もある。日本冷凍食品協会の大櫛顕也会長はコスト問題について「リスクだ」と語っている。

 また、値上げ幅は農産品を除き1~15%ほどで「当面のコスト上昇分をギリギリ吸収する程度」(関係者)であり、「これ以上、コストが上昇すればリスクはさらに増す」といい、業界は状況を注視している。