経済合理性よりも心地良さ コロナ後の生活者意識に提案強化 三菱食品「ダイヤモンドフェア」

三菱食品は11月30日から12月2日までの3日間、東京流通センターで「ダイヤモンドフェア2021」を開催した。コロナ禍で2年半ぶりの開催となったダイヤモンドフェアには、初日から多くの小売業関係者が来場。「食で創造する、持続可能な社会」をテーマに、食品流通の未来像やアフターコロナを見据えた同社の提案に、耳を傾ける来場者が目立った。

会場入り口のシアターでは、京谷裕社長がビデオメッセージであいさつ。京谷社長は「コロナ禍で大きく市場が変化しており、これまで以上に生活者ニーズを的確にとらえた提案が重要になっている。食は人々の生活を支える重要なインフラであり、私ども三菱食品はそれぞれの地域でお客様の生活を支える小売業の皆さまとの取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に貢献していく」と語った。

エリア1の近未来シグナルでは、「生活者意識」「サステナビリティ」「デジタル」をキーワードに、今後の食品流通の対応策をパネルで紹介。生活者意識の変化では、コロナ禍で家族や地域とのつながりを重視する傾向が強まり、従来の経済的満足から心の充足が求められており、小売店の位置づけも変わり、サステナブルに配慮した商品提案や、地域のコミュニティ拠点としての役割が高まっていると指摘した。

さらに、今後の消費動向を占うポイントとして、過去最高水準となったエンゲル係数(27.5%/20年)と、約22兆円に達した家計貯蓄に着目。将来の先行き不安から節約志向は根強く、全世代の消費意欲は低下傾向にあるが、一方で生活者の食に対する探究心(調理過程や食事の時間を楽しむ工夫、料理の見栄え、品数のアップなど)はコロナ禍の内食化で高まる傾向にあり、食べる楽しみや作る楽しみを訴求する「FUN to COOK, FUN to EAT」をテーマに、メーカー各社の製品を活用した「つくる加食」を提案。食材ロス削減も含め、生鮮品を使いきる提案としての素材別メニュー提案や、おうち調理で注目を集めているキッチン家電を活用した販促提案を披露した。

そのほか、DXの取り組みでは、サプライチェーンの最適化にも貢献するAIを活用した需要予測やデジタル販促、VRを活用した買い物支援サービスの実演などの取り組みを紹介した。サステナブルでは、物流効率向上と環境負荷低減、22年4月施行予定のプラ資源循環促進法への対応や食品ロスの削減のほか、食を起点とした地域コミュニティの活性化策として、離島振興地方創生協会などさまざまなステークホルダーと協力し、新たなビジネスを創出する方針を示した。

カテゴリー別の提案(エリア2)では「つくる加食」のほか、男性の調理意欲の高まりに対応した調味料の提案、生鮮・デリカ売場でのフローズン展開強化など多彩な取り組みを紹介。菓子では、生活者のニーズとお菓子のチカラをつなぐ「活動と活性化」を切り口とする「はじめよう、菓子カツ」を提案。健康軸での提案や、おうち時間を楽しむアレンジ提案のほか、全国各地の菓子メーカーの地域性豊かな商材と売場づくりを支援する取り組みとして、菓子売場でのSDGs推進キャンペーンを来春から展開予定。エコパッケージの菓子を集めた「あなたと地球にやさしいお菓子」や、全国各地の地域メーカーとの協業による地産全消の売場づくりなど、菓子売場でのSDGsコーナー導入を提案する。