岸田首相は有言実行の人

岸田文雄首相は当初、所得再分配政策の一環として金融所得課税の引き上げを打ち出していたが、その後の日経平均株価の急落を受けてか早くもそれを撤回。日経平均株価は9月29日に総裁に選出された直後に下落し、8日間連続で下がっていった。

▼撤回について「言葉の軽い政治家」「株主からの突き上げ」などと批判されるが、岸田首相がいう「自分の持ち味は聞く力」ゆえの方針転換かもしれない。

▼箴言に耳を傾けたものと想像されるが、Aの箴言を受けてAの判断を下すといった塩梅では「定見がない」との誹りを免れない。貧富の格差と気候変動に立ち向かうのは世界的潮流であり、金融所得課税強化を評する向きもある。

▼今後の手腕が問われる岸田首相であるが、有言実行の人でもある。全日本コーヒー協会(全協)が15年に国際コーヒー機関(ICO)へ再加盟したときの立役者となった。日本は財政難を理由とし09年にICOを脱退。全協が長らく再加盟を要請してきた中でそれを聞き入れ実現してくれたのが当時外務大臣の岸田首相だったという。真っ赤なコーヒーチェリーのような円熟を期待したい。