中国EC市場にスモールスタートで参入支援 インテージの微信アプリ レビュー獲得も容易に

自社商品や地域の特産品が中国で受け入れられるかどうか確かめたい――こうした思いをスモールスタートで実現できる仕組みをインテージホールディングスの中国現地法人インテージ・チャイナが構築した。

インテージ・チャイナ(以下、インテージ)は昨年、微信(ウィーチャット)にアプリ「新探」を開設。投資を行い今年7月のサービス開始までに5万人のモニター(ユーザー)を獲得した。

「新探」を使って日本の商品をモニターに向けてアピールしフィードバック(レビュー)を得られるサービス。サンプリングや販売もできる。大手ECサイトとの違いは、小ロットでのトライアルが可能で、ユーザーからのレビューが確実に得られる点にある。

インテージの小田浩樹グローバル営業推進室室長は「EC市場が伸びていることを背景に、リサーチだけではなくメーカーさまの販売の部分でも貢献できないかと考えて開始した。いきなり大手ECで成功するのは至難でレビューも得られないと聞く。まずは『新深』を使って感触を確かめていただきたい」と語る。

言語面をサポートして30万円からのトライアルが可能。30万円では、インテージが中国語のバナー広告を製作し、それを「新探」に2週間掲出してモニターからレビューを得るところまでサポートされる。バナー広告から自社サイトへの誘導も可能となる。自社で輸送コストと税関手続きを負担し、さらに料金を追加するとユーザーへのサンプリングや販売もできるようになる。

「料金はご相談の部分が大きく、税関手続きのサポートも行っている。ざっくり100~200万円のご予算でサンプリングまでができ、一定の感触が得られる」という。

ユーザーの属性は女性が7割を占め、年代は20~39歳が中心で、最も多いのが30~34歳となっている。地域では上海、北京が多く、平均月収は日本円で約25万円。このような属性から既に化粧品でいくつか展開しており、食品の展開はこれからとなる。食品の場合、賞味期限が1か月以上あることや放射性物質に関する規制措置などをクリアしていることが求められる。

サンプリングはユーザーに募集をかけて実施され、サンプリングを無料体験できることがユーザーのインセンティブになる。「これまでのところ最大で200人までサンプリングを実施した。中には応募が少ない商品もあるが、応募の多寡も一つのデータ」と述べる。

開発を担当したインテージの小田浩樹氏
開発を担当したインテージの小田浩樹氏

ユーザーのレビューは公開・非公開の設定が可能で、定性的なコメント収集ができるほか、アンケートによる定量的な把握にも対応している。「『新探』で手応えが得られれば、『新探』のデータを活用して中国の小売店や大手ECへの商談につなげることもできると考えている」と意欲をのぞかせる。

インテージは今後、さらなる投資を行い「新探」のユーザーを現在の5万人から21年末までに30万人、22年に50万人規模にまで拡大していく。また、中国のインフルエンサーを起用したライブコマースのサービスも計画している。