ローソンの冷凍化とできたて化を加速して食品ロス削減とおいしさを両立させる新戦略とは? 冷凍・解凍技術を進化しAIで値引販売

 ローソンは11月25日、冷凍化とできたて化を加速して食品ロス削減とおいしさを両立させる方針を明らかにした。

 この日発表した竹増貞信社長は「冷凍食品と店内調理サービス『まちかど厨房』の比率を高めていくことが食品ロス問題に切り込んでいく1つの答えになると思っている。冷凍食品は店舗でもご家庭でも廃棄がほとんど出ない」と語る。

 働き方や価値観の変化にあわせて冷凍食品の国内消費量は年々増加傾向にあり、ローソンの冷凍食品もコロナ禍の20年度に急伸し「5年前と比べて約2倍に拡大した」。

 今回、刺身でアルコール凍結という新製法を導入するなど冷凍技術と解凍技術を進化さて商品力を高めるとともに冷凍食品の売場を1.5倍から2倍に拡大して「これでも私は低いと思っているが、25年度には今の5倍の売上げを目指していく」。

 この考えのもと、11月30日から冷凍食品のメニューを順次拡大していく。

 ローソンの20年度冷凍食品伸長の内訳は、冷凍素材(果実・野菜)206%、惣菜138%、軽食・スナック124%、アルミ鍋104%、冷凍野菜104%、麺類102%。

 この伸長傾向は今後も続く見通しだが「既存ニーズの取り込みだけでは限界がある。朝昼晩に加えて、簡便即食・簡便個食・健康・安全安心にチャレンジしていく」(藤井均上級執行役員商品本部長 )とし、今回、解凍せずに食べられる冷凍デザート、容器ごとレンジで温めて皿への取り分けが不要な米飯やラーメン、生地にブランを配合した健康志向の冷凍ベーカリー、切り分けが不要な刺身や馬刺しなど計12品を順次新発売する。

 「4種のマカロン」(税込430円)と「フォンダショコラ」(税込399円)は冷蔵庫から出してすぐに食べられる商品で「『4種のマカロン』には油脂分の多いクリームを使用することで凍結時のクリームの食感をなめらかにし、『フォンダショコラ』は冷凍状態でも“とろ~りチョコソース”を実現した」。

 「ブランのクロワッサン」(税込248円)は小麦粉の一部をブランに置き換えて低糖質に仕立てたもの。「通常、ブランを使うとパサパサの食感になるが、バターをたくさん使うことでクロワッサン本来のサクサクとした品質にした」という。

 簡便個食のアプローチでは、容器のままレンジアップできる「6種具材の中華丼」(税込399円)と「旨辛!麻婆豆腐丼」(税込399円)をラインアップ。

 簡便即食にはラーメンで挑む。
 麺・スープ・具材が一体となり、そのままレンジアップするだけで食べられる「淡麗醤油らぁ麺」(税込399円)と「濃厚鶏白湯らぁ麺」(税込399円)を関東で先行販売しており12月から順次販売エリアを拡大していく。

 安全安心の切り口で畜産・水産系にも挑む。

 「鮮馬刺し赤身スライス」(税込798円)と「真鯛お刺身」(税込498)などを来年1月からエリア限定で発売する。「『鮮馬刺し赤身スライス』はスライス後に一度だけフローズンして本当に切り立ての味を実現。お刺身も同様で、一番新しい凍結方法であるアルコール凍結で解凍後もドリップの少ない品質となっている」と胸を張る。

 できたて商品を提供する店内調理サービス「まちかど厨房」は、他商品と買い合わせしやすい場所に配置するなどしてレイアウトを変更するほか、都内の一部店舗で実証実験しているオーダーメイドシステムに取り組む。

 「店内で廃棄になっているのは常温で賞味期限が短いものが多い。もちろん、おにぎりなど持ち歩き需要もあるのである程度は(常温商品を)担保しないといけないが、店内にはできたて商品と冷凍食品しかないというところまで実はもっていきたい。このことが食品ロス削減と本当においしいものにもつながっていく」(竹増社長)との考えを明らかにする。

 食品ロス削減の取り組みでは、AIを活用した値引販売推奨実験を東北エリア65店で実施し、23年をめどに全店展開を目指す。
 商品を廃棄せずに売り切るとともに、加盟店利益を確保し、再投資への好循環を促す試み。AIが在庫状況や天候に応じて店舗オーナーに値引き商品と値引き金額を推奨する。