「おせち」若い世代に照準 セット商品拡充、SNSも活用 紀文食品

紀文食品の2022年正月向けのおせち商品政策が固まり、このほど開催したメディア説明会で商品開発室商品企画三部の堀内慎也部長がその取り組みを、営業本部商品企画部の高柳謙一郎部長がプロモーション施策を説明した。

同社インターネット調査によると、21年のお正月は、家族の集いは減ったがおせち用意率は20年正月の52.2%から53.8%に増加。コロナで実家に帰省できないため、若い人を中心に自分で作らざるを得ない人が増えた。一方で帰省せず、自分でも用意しない「おせち難民」が発生した結果、喫食率は下がった。

迎える側と帰省する側の食卓の意識変化も大きかった。迎える側は寂しいややる気が出ないなどネガティブな意識が高まったが、帰る側は実家に帰れず自分でおせちにチャンレンジせざるを得なかった人が増加。その結果、おせちが好きになった人が増えた。「若いお母さんは、おせちを準備するためのハードルが高かったため今までは準備をしなかったが、作ってみたら楽しく、得られた体験が大きかったなどポジティブな意識変化が調査で分かった」(堀内部長)。

生活者の行動と意識が変わったことで、スーパーの売上も増え、21年正月用のおせち商品は例年より2~3ポイントスコアが上がり、蒲鉾や伊達巻が店頭で品切れを起こしたスーパーもあった。同社では、「コロナで若い世代がおせちを用意するようになったことは大きな変化で、今年はこのトレンドを加速させる大きなチャンスだ」ととらえ、「コロナで変化した良い兆しを逃さない」「昨年発生したチャンスロスを取り返す、この二つを実施すれば今年も伸長する」と意気込んでいる。

堀内慎也氏㊧と高柳謙一郎氏(紀文食品)
堀内慎也氏㊧と高柳謙一郎氏(紀文食品)

商品政策では、「おせちポジティブユーザー拡大に向けて」セット商品の拡充(おせち雑煮セット、お正月セット彩姫、福禄&抹茶伊達巻セット、おせち三品セット発売)。「形式に囚われないゆるやかなつながりを求めるユーザーに向けて」セット内容のリニューアル(おせちと酒肴適量セット)。「既存のユーザーの満足度向上に向けて」高価格帯蒲鉾リニューアル(鶴寿、福寿に自社製造すり身を使用)、賞味期限の延長(含気こだわり厚焼玉子を1月3日から7日まで延長、黒豆300g液入り、140g液入りを1月7日から31日まで延長・常温化)を図る。

正月商戦のポイントとして、21年のおせち用意率(53.8%)を22年は55%まで高まることを見込んでおり、昨年おせちの準備を体験したことで生まれたポジティブ意識を膨らませるため、おせちを楽しむための品ぞろえを増やし、売場提案により新規ユーザーを獲得する。

プロモーション施策では、「おせちを初めて、久しぶりに用意した人が増えたことをとらえ、こうしたポジティブユーザーをプロモーションでサポートする」(高柳部長)。ターゲットを核家族ヤングファミリー層(30~50代)とシニア層(60代以上)に分け、核家族ヤングファミリー層にはおせち作りトライアル、需要喚起を図り、シニア層にはおせち作りのモチベーション維持を図る。

プロモーションのキーワードは「教えて!おせち」。HPでタイプ別おせちスタイルを提案。店頭ポスターやPOP、店頭動画などによりユーザーのスタイルに合わせたさまざまなおせちスタイルを提案。また、SNSを活用した消費者キャンペーンやテレビCM、新聞広告なども展開し、多種多様なポジティブユーザーに合わせたスタイルを提案する。