たこ焼きの「粒単価」

大阪には不動産の「坪単価」ならぬ、たこ焼き「粒単価」が存在する。たこ焼き1個当たりの値段だ。同じコナモンのお好み焼きと比べて、具材で差別化を図りにくく、価格に対してシビアに見られがちだ。

▼個人経営の店が多い大阪では、駅前の商店街立地で50円が平均。キタやミナミの人気エリアになると、相場が70円以上に跳ね上がる。度重なる緊急事態宣言でたこ焼き屋も一時は客足が落ちたが、ようやく売上が回復基調にある。そこに新たな問題として発生したのが原材料問題だ。

▼原価率が高いタコは、主要産地のモーリタニアやモロッコの不漁などで過去数年価格が高騰していたが、他国の旺盛な買い付けや輸送問題も加わり国際相場が上昇するとともに、輸入量が激減。前年同期比1割ほどの高値が続く。さらに生地に使う小麦粉が2割ほど上がった。小麦高騰には干ばつなどの要因も絡み、当面この流れが継続する見通しで、来年もコスト圧迫は必至。

▼たこ焼き屋も値上げせざるを得ない状況を迎えている。粒単価を上げると顧客が減るリスクがある。感染第6波が来れば再び客足が減少する懸念もあり、経営者にとってまさに板挟みの状態にある。