ハム大手4社 上期は業務用回復し堅調 問題は下期 原材料高騰で通期減益見込み

ハム大手 2021年 中間決算

ハム大手4社は今期(21年4月~)から新中期3か年計画が始動しており、その初年度の中間決算が出そろった。前年度の家庭用好決算があり、今期はマイナスが懸念されたが、各社市場の変化を柔軟にとらえ、増収もしくは微減にとどまった。

ただ、畑佳秀日本ハム社長が指摘するように、「問題は下期」で、通期では各社減益見込み(丸大食品は黒字化)。理由は特に輸入の豚肉、鶏肉などの「原料高騰」が大きな要因を占めており、伊藤ハム米久HDの宮下功社長が「値上げも真剣に検討」と発言するなど、最終的な実施は未定だが、コスト増がひっ迫した状況だ。コスト増や今後の不透明な市場環境に対し各社、「部門間連携」「価値(単価)増の提案」「常温商品のさらなる強化」「業務用の巻き返し」などを政策の柱に据えて臨む。

各社の上期決算概況は日本ハムは増収に転じ、営業利益は前年中間期に続き増益。加工事業は前年の巣ごもり特需の反動もあるが、ハム・ソーは前年同期比1.2%減にとどめ、加工食品がチルドピザや強化する常温商品が6.9%増と伸長。食肉事業は1.7%増。

伊藤ハム米久HDは増収増益。ローストビーフなど業務用調理商品や輸入鶏肉の販売が増加し4.3%増。ハム・ソーはギフトのみ下回り0.1%減だが、調理加工食品が4.2%増、食肉が5.2%増と全体をけん引した。

プリマハムは、前年中間期にハム大手4社で唯一増収営業増益だった反動もあり、増収だが減益。ハム・ソーは主力の「香薫あらびきポークウインナー」が好調で業務用も回復して3.4%増、加工食品は市販用が減少したが業務用が回復し2.8%増、惣菜などが5.8%増、食肉は0.3%増だが、利益面は海外相場高など輸入調達コストの急騰で7割減と、全体に響いた。

丸大食品は減収増益で前年の赤字から黒字化。ハム・ソーは前年の内食需要拡大の反動などで7.2%減。調理加工食品部門は、コンビニ向けの回復もあり0.7%増。食肉事業は2.9%減収だが、採算改善に努め3.6%の増益となり、全体では生産工場の効率化に努め黒字に転化した。

下半期は、「原料高騰」「為替要因」「海上運賃増」「エネルギー費用増」など引き続くさまざまな原材料高騰が利益面へ大きな影響を与えると予測。加工肉での利益割合が高いプリマハムも「なんらかの形を考えていかなければならない」とし、値上げ実施のいかんにかかわらず、各社対応を急ぐ。

日本ハムは「一層の部門間連携を図る」と畑社長は強調する。グループ力を生かし、自由貿易協定における関税優位性が高い原料の海外連携、国内はブランド食肉を加工で生かすなどの産地連携、営業の横断型提案などをさらに進めていく。

今年6月に新社長に就いた丸大食品の佐藤勇二社長は「増益は工場の合理化効果が出た。今後も効果を出すには一定の生産数量が必要」とし、売上増に向け「(味、利便性、環境など)さまざまな視点で企業や商品価値を高めていく」とした。