加藤産業 前期は増収、営業増益 「小売のデジタル化に対応」加藤和弥社長

加藤産業の21年9月期連結業績は売上高が2・9%増の1兆1千371億円、営業利益が0.3%増の116億1千万円で着地した。今期は新会計基準を適用し、通期の営業収益1兆340億円、営業利益118億5千万円を予想する。加藤和弥社長は12日に開いたオンライン会見において、次の通り述べた。

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【前期の総括と今期の見通し】

期首は減益予想だったが、若干上回ることができた。コロナ禍の状況が続き、グループの中で数字的にそれが追い風になるところ、向かい風になるところがあった。全体的には単体の家庭用常温商品のウエートが高いため、若干のプラスになった。もう一つの増益要因として、情報システムの投資が予定より遅れ22年度以降に繰り越されたことがある。

今期は収益認識に関する会計基準を適用するが、前期と同じ基準だと総売上高は4.2%の増収。投資により経費が先行するのを、売上の増加でカバーし増益を目指す。ニューノーマルと言われる変化を吸収した形で、われわれの価値をどう作り上げていくか。今期はそれをスタートする年になると考えている。

【消費動向と小売再編】

昨年は「購買頻度が下がり客単価は上がった」「近くの店に行くようになった」など、全体像が分かりやすく一つの言葉で語れた。今年はどこをどう見るかによって違いが出ている。

小売業も昨年はおしなべて良かったが、今年度に入る頃から差がついてきた。マーケットが膨らんだ分を強いところがしっかり取って、残念ながら競争力のないところがその恩恵をあまり受けていないというのが現実と思われる。今後、履いていた下駄が失われた時、恩恵を受けていなかったところがよりダメージを被り、受けていたところはそれを維持すると想定される。そういう意味でも、(コロナ禍が)再編の引き金になると考えられる。

【アフターコロナ】

アフターにおいても「『豊かな食生活』を提供して人々の幸せを実現する」というわれわれのミッションは変わらない。ただ、ライフスタイルがどこに落ち着くかによって具体的な提案の仕方は変わってくる。コロナ中と違い反射神経でアジャストするのではなく、もう少し長い目で方向性を見極め、行きつく先を想像し、対応できる提案や機能を作ることが大事。

もう一つは、スマホアプリなど小売業のデジタル化が一気に進み、それがこれまで培ってきたインストアプロモーションにどう影響を与えるのか、また、われわれがどう関わっていくのか、それが非常に大きなテーマになる。