こうじ甘酒 再浮上へ機能性訴求 疲労改善・整腸・肌の潤い

こうじ甘酒の健康・美容効果に再び注目が集まりつつある。15~17年の第一次ブームでは、「飲む点滴」のキーワードで健康や美容に対する意識の高い女性を中心にこうじ甘酒の飲用が広がった。今後の市場再浮上に向けて、機能性の訴求が鍵となりそうだ。

蒸した米にこうじ菌を繁殖させたこうじは、元の米に比べ驚くほど栄養成分が増える。さまざまな研究によって、こうじの中には、人間の体にとって重要な機能を持つ成分が発見されている。こうじ甘酒は、こうじに水分を加えて糖化させたもので、こうじ成分の抽出液のような飲み物と言える。

まず疲労改善効果が期待できる。こうじ甘酒がスポーツ選手の練習後の飲用によって疲労回復に及ぼす影響をマルコメが調査したところ、「練習後に疲れ切って元気が出ない・活力が低いと感じる」度合いが有意に軽減され、身体的緊張も有意に軽減されることが分かった。

また、食物繊維が豊富なことから整腸効果も期待できる。有力メーカーの八海醸造は先頃、こうじ甘酒の飲用による便通改善効果が、こうじ甘酒に含まれる麹菌体、つまり麹菌そのものによってもたらされることを、ヒト臨床試験により明らかにした。

甘酒の健康効果は医療方面からも注目されている。琉球大大学院医学研究科第二内科と会津天宝醸造が開発したノンアルコール玄米甘酒「玄米オリザーノ」が先頃、日本健康医療学会が選ぶ第8回健康医療アワードを受賞した。

医師や歯科医師らでつくる同学会は毎年、国民の健康や医療に貢献している製品を選び、開発・販売する企業や団体を表彰している。今回は3千品目の中から5品が選ばれた。同商品は腸内フローラの改善や、糖尿病、認知症、依存症の予防改善効果が期待できる。

昨今は化粧品領域へも進出している。こうじ甘酒は肌の水分量を保持する。こうじに含まれるアミノ酸は肌がもともと持っている主要成分で、水分保持の役割を担い、肌のキメを整えて、潤いとハリを与える。ハナマルキの「透きとおった甘酒プレミアム」が使われたハンドクリームが好評発売中だ。

こうじ甘酒の健康や美容に有益な情報を積極的に、より伝わりやすい手法で発信し第二次ブームへの足掛かりとしたい。