人材こそ日本の資源

取材中に人手不足の話になったところ、相手が「このままでは、日本経済は立ち行かなくなる」と語った。工場などの労働力不足の話かと思ったら、高度人材が不足していることへの懸念だった。日本でもこの危機感が進行していることに驚いた。

▼米国上場企業の部長クラスでMBA取得者は3~4割ともいわれるが、日本ではかなりの少数派だろう。その担当者は「日本がバブルに浮かれている時に欧米社会は人材の高度化を進め、今になってその差が出ているのだろう」と推測、「日本の中でも食品業界は対応が遅いのでは」と危惧する。

▼だが、状況は変わり始めているようだ。ある食品メーカーからMBAに進学した人は「食品業界から夜間で大学院に通う人も増えている」といい、「半数以上は企業派遣ではなく自主的な進学だ。業界の一部に危機感が広まりつつあるのではないか」と語る。ただ、進学者へ企業が理解を示す例は少ないそうだ。

▼専門職大学院が開設されて以来、進学者は増えているが、オーバースペックとして避ける傾向もある。国土が狭く天然資源が少ない日本では、人材こそが資源だ。長期的な視点で高度な人材を育成する必要があろう。