ハウス食品、ハウスウェルネスフーズ、サンハウス食品のハウス食品グループ3社は、NECの協力を得て、需給・生産管理システムを担うサプライチェーンマネジメントシステムを統合し、NECのAIを活用して高度な需要予測を実現する「需給最適化プラットフォーム」を導入した。
共通基盤による全体最適な運用を進めるとともに、市場変動への素早い対応と食品ロスの削減を図る。欠品件数の50%削減、製品・資材廃棄ロスの10%削減、管理業務工数の60%削減を目指す。
ハウス食品グループでは、これまで需給システムと生産管理システムの連携が限定的だったため市場変化対応への気づきとそれに準ずる生産調整の初動が遅れるという課題があった。今年4月に需給・生産管理システムを担うサプライチェーンマネジメントシステムを統合し、同時に「需給最適化プラットフォーム」を導入したことで、これらの課題解決を図る。
3社がそれぞれ活用していたNECの生産管理システム「FlexProcess」を統合して「需給最適化プラットフォーム」を組み合わせた。全国の各エリア・各倉庫ごとに傾向の違う商品の出荷数や販売数などを予測する数万に及ぶ予測モデルをAIが作成することで、需給計画や発注業務の効率化を実現する。
ハウス食品、ハウスウェルネスフーズ、サンハウス食品の3社の需給予測から生産管理までの業務を統合したことがポイント。倉庫・店舗など社内外の組織間情報を緊密に結合・連動し、市場ニーズへ迅速に対応することで、サプライチェーン全体の効率化・最適化を実現し、過剰在庫・欠品の削減につなげる。
NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の一つである「異種混合学習技術」を活用した「需給最適化プラットフォーム」を導入したこともポイント。「異種混合学習技術」では多種多様なデータの中から精度の高い規則性を自動的に発見し、その規則に基づいて状況に応じた最適な予測ができる。販売動向に影響を与える販売実績や特売情報などのさまざまなデータやノウハウを組み合わせて解析することで、需要予測の精度向上を実現する。
ハウス食品グループは、市場の変化に対応するため定期的に需給予測や生産計画などを見直すことで、サプライチェーン全体の最適化を目指す。また、生産計画・製造計画を迅速かつ低工数で見直すことができ、市場の変化にもフレキシブルに対応できる生産体制の構築を目指す。
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