伊藤忠食品 新基幹システム開発へ クラウド活用、卸売業のDX推進

伊藤忠食品は基幹システムの再構築を進める。今期から新たな基幹システムの開発をスタート。3~5年後をめどに、会計・営業・物流の全システムを刷新し、卸売業のDXを推進する。

10月29日に開かれた第2四半期決算発表の席で明らかにした。デジタル基盤の見直しを進め、DX導入による課題解決を加速させるのが狙い。魚住直之常務執行役員経営統括部門長は「現行の基盤システムは稼働開始から30年以上経っており、今般新たな基幹システムの開発をスタートした。データの収集や分析など、より使いやすい仕組みにする。投資額は現時点で80億円程度。会計系は3年後、営業系は5年後をめどに新システムへの刷新を計画している」と語った。

岡本均社長は「情報革命が進む中で、これまで自前のシステムを使ってきたが、新基幹システムはクラウドを活用する。今後の卸業界を考えると、物流など同業卸と水平での協業を進めていく場面が増える。協業によって全体でコストを抑えていく方向になっていくだろう。クラウドを活用したオープンなシステムの方が改変もしやすい」と語った。

29日に開示した第2四半期連結決算は、売上高は収益会計基準の適用に加え、前年の巣ごもり需要の反動、夏場の低温とコロナによる酒類の影響もあり前年を下回ったが、利益面では各段階とも前年実績を上回り堅調に推移した。

消費者起点の売場づくりでは、デジタルサイネージを活用した各エリアの有力スーパーとの取り組みが拡大。「現状で2千店舗・6千台のサイネージが導入されており、当初計画である3千店・1万台の目標がキャッチアップできるようになってきた」(河原光男取締役営業統括部門長)。

「コロナ禍で内食傾向が増えた中で、生活者は毎日の献立作りや調理のマンネリ化に悩まれている。小売店様も旬の素材を使ったメニュー提案を求めており、デジタルサイネージがお役立ちできることは多い。コロナ禍で営業活動が制限されることもあったが、下期以降さらに提案活動を強化していきたい」(岡本社長)と意気込みを示した。

下期の見通しについて、岡本社長は「感染者数が劇的に減少しているが、第6波の懸念もあり、消費環境は楽観できない状況にあるので通期見通しは据え置いた。引き続き低重心経営を徹底するとともに、今後も消費者起点での売場づくりを意識し、価値創造の取り組みを一層推進する」と語った。

なお、今夏に開催した総合WEB展示会はアクセス数2.5倍(前回比)、延べ5千人以上のアクセスがあり、秋冬新商品やトレンドのフルライン提案が好評だった。来年1月の東海展示会については、リアルとWEBのハイブリッド型で開催予定。