市販用「マロニー」好調維持 鍋物定番化が追い風に マロニー・難波克章社長

主力の市販用マロニー群は、前年の伸長で勢いづき、今年5~9月は前年を上回る好結果となった。来年4月には親会社のハウス食品に、これらのドライ製品群を事業譲渡する計画で、ハウスの企画、営業力をバックにマロニーブランドのさらなる拡販に取り組む。

――上半期は昨年の巣ごもり特需の裏年になりましたが、販売動向はいかがでしたか。

難波 主力の市販用マロニー群の4~9月は前年比97%だったものの、前年度の反動が影響した4月を除くと、5~9月累計は105%となった。前々年比では120%伸長した。生マロニー群も105%と好調だった。

商品群別では、太麺タイプの「お鍋にマロニーちゃん」が118%、前々年比では130%になった。自宅で鍋を囲む機会が増え、食品スーパーでも春夏期に鍋つゆを定番に残す店が増加。この期間の鍋つゆのPOSデータを見ても前年、前々年度より伸長していて、消費者の生活スタイルの変化を感じる。細麺の「サラダにマロニーちゃん」も一昨年比で130%。自宅で料理をする機会が増え、保存性や利便性の高さが見直されて利用が広がっている。

一方、コロナ前は成長分野だったチルドタイプの「プチプチ海藻麺」は厳しかった。実際にお客さんに試食してもらうことが必要な商品のため、店頭デモ販売を主流に認知拡大を図ってきたが、コロナ禍でその機会がなくなり売上に影響。昨年苦戦したが、今年もほぼ昨年と同様の販売動向で推移している。なんとかこの環境下でできるプロモーションを模索したい。

――下期の立ち上がりと最盛期の取り組みを教えてください。

難波 鍋つゆ購入客にマロニーを購入してもらえるよう、エンドへの営業を強化してきて、よい感じに導入が進んでいる。気候に左右されやすい商品というのもあり、10月前半の気温の高さが影響したが、半ばを過ぎてから急に冷え込み、数字が跳ね上がってきた。11~12月は平年より低い予想。今後の勢いに期待したい。

秋冬のプロモーションCMの期間を、昨年から確実に寒くなる時期に遅らせた。今年も11月末~1月末に「家族の鍋に愛情マロニー」をテーマに、尾野真千子さんを起用したCMを放映する。

動画QRコード付きの小型POP(マロニー)
動画QRコード付きの小型POP(マロニー)

昨年夏に、人気ユーチューバーのリュウジさんに、マロニーを使ったメニューを作って披露してもらい、反響を得られた。今年も鍋を使った動画を、11月19日に仕掛けてもらう計画。リュウジさんのフォロワー数が昨年より伸びているので、さらにバズってくれることを期待している。テレビとWEBの2本立てで最盛期に向けて訴求を増やし、マロニーの利用促進につなげたい。

また新たなプロモーションとして、短尺動画を得意先の要望に応じて作成する取り組みを始めた。来店客が店頭のPOPからQRコードを読むと、動画を閲覧できる仕組み。実際にある小売店では、生マロニーの美味しさの秘密と、美味しいすき焼きの作り方を動画で流している。

――販売エリアに変化はありますか。

難波 東日本の販売店舗でこれまで1SKUだったところが、2~3SKUと広がってきてきた。東西営業支店のドライマロニーの販売構成比を見ると、東が多く、徐々にその差も開いてきている。ただ首都圏の人口、消費のポテンシャルを考えるとまだ少ない。もう少しボリュームを増やせるよう営業強化に取り組み、CM放映も関東を厚くしている。西日本はある程度行き届いたように感じる。

――昨年からカップスープ事業に参入されましたが、その後の動向は。

難波 マロニー独特の食感とショート丈で食べやすい点が好評で、スーパーやドラッグストアの取扱店では徐々に回転率が上がってきている。これまでマロニーの販売ルートでなかったところも含め、今度どれだけ定着できるかが課題。今後も露出を図り、認知向上に努めたい。今秋にはマロニーの鍋との相性の良さを親和させた「鍋味仕立てのスープマロニーちゃん ごま豆乳鍋」を発売した。現在は東海以西の限定販売で、マロニー認知度の高い地元関西が多い。来年4月の事業譲渡により、より販売エリアが広がるし販売政策も変わるかもしれない。

――来年4月にハウス食品へ一部事業の譲渡を発表されました。詳細を教えてください。

難波 ハウス食品に市販用ドライマロニーとカップマロニーを譲渡し、当社は生産子会社として製造機能を担う。該当する商品の営業、企画開発、研究開発をハウス食品に移管。全国各エリアにある支店から営業強化を図り、マロニーブランドのさらなる成長拡大に努める。

それ以外の事業である、市販用生マロニーやプチプチ海藻麺などチルド事業、業務用、輸出専売品は当社で継続する。ドライとチルドでは得意先のバイヤーも異なり、マロニーの営業力を生かす形。業務用は業務スーパーへの販売も含む。外食向けはコロナ環境下でいぜん厳しいものの、給食向けは回復してほぼ100%に戻ってきている状態だ。